育児休業給付金は、原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得し、雇用保険の加入期間や休業中の就業日数などの要件を満たす方が申請できます。支給率は原則として180日目まで67%、181日目以降50%です。

育児休業給付金の概要

対象、支給率、期間、申請先を先に整理します。
確認項目内容
対象原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得する雇用保険の一般被保険者・高年齢被保険者
支給率原則として休業開始から180日目まで67%、181日目以降50%
支給期間原則として子が1歳に達する日の前日まで。通常は1歳の誕生日の前々日まで
申請者原則は事業主。本人が希望する場合は本人申請も可能
初回期限受給資格確認と初回支給申請を同時に行う場合、育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月末まで
2回目以降原則2か月に1回。本人が希望する場合は1か月に1回の申請も可能
申請先事業所所在地を管轄するハローワーク。e-Govの電子申請も利用可能

出典:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q11~Q14、Q53~Q55および「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(確認日:2026年7月28日)

対象になるための主な要件

育児休業給付金の基本的な受給要件です。個別の受給資格はハローワークが確認します。

  • 原則1歳未満の子を養育するため、開始日と終了予定日を明らかにして育児休業を取得している
  • 育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の完全月が12か月以上ある。11日以上の月がない場合は、賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上の月で確認する
  • 1支給単位期間の就業日数が10日以下である。10日を超える場合は、就業時間が80時間以下である
  • 有期雇用労働者は、原則として子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない
  • 育児休業開始時から退職を予定しておらず、休業後の職場復帰を前提としている

支給額は180日目まで67%、181日目以降50%

1支給単位期間ごとの育児休業給付金は、原則として「休業開始時賃金日額×支給日数×支給率」で計算します。休業開始時賃金日額は、原則として育児休業開始前6か月間の総支給額(賞与を除く)を180で割って算出します。

同じ子について出生時育児休業給付金が支給された日数は、67%が適用される180日に通算されます。
期間支給率支給日数の原則
休業開始から180日目まで67%1支給単位期間は原則30日
181日目以降50%育児休業終了日を含む期間は終了日までの日数
出生後休業支援給付金の要件も満たす場合別制度として13%を最大28日分上乗せ対象期間と配偶者要件の確認が必要

支給される期間と支給単位期間

支給単位期間は、育児休業開始日から起算した1か月ごとの期間です。例えば4月15日に休業を始めた場合、最初の支給単位期間は4月15日から5月14日までです。育児休業終了日を含む最後の期間は、終了日までが対象になります。

原則の終了時期と、別途手続きが必要な延長を区別します。
状況支給対象期間
通常の育児休業原則として子が1歳に達する日の前日まで。通常は1歳の誕生日の前々日まで
1歳前に職場復帰復帰日の前日まで
パパ・ママ育休プラス要件を満たす場合、子が1歳2か月に達する日前までの間で、本人の休業は最大1年
保育所等に入れないなどの延長事由別の延長手続きを行い、1歳6か月または2歳に達する日前まで対象になる場合がある

初回申請の必要書類

勤務先が管理する資料と、子の出生を確認する資料をそろえます。

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(未提出の場合)
  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
  • 労働者名簿または育児休業申出書
  • 賃金台帳
  • 出勤簿またはタイムカード
  • 母子健康手帳、住民票、医師の診断書など、育児の事実、出産予定日、出生日を確認できる書類
  • 新たに振込口座を登録する場合は、キャッシュカードの写しなど口座番号を確認できる書類
  • 出生後休業支援給付金も同時申請する場合は、配偶者の育児休業または配偶者要件の例外を確認できる書類

育児休業給付金を申請する手順

勤務先へ育児休業の開始日・終了予定日を申し出て、育児休業申出書や取扱通知書など、日程を確認できる書類を整えます。

勤務先が、育児休業開始日前2年間の雇用保険の加入期間と賃金記録を確認します。12か月要件に届かない場合は、30日以上賃金を受けられなかった期間がないかも確認します。

休業開始時賃金月額証明書、受給資格確認票・初回支給申請書、賃金台帳、出勤簿、母子健康手帳等を準備します。出生後休業支援給付金を同時申請する場合は、配偶者関係の書類も追加します。

原則として事業主が、事業所所在地を管轄するハローワークへ受給資格確認と初回支給申請を行います。e-Govでは、令和7年4月以降手続きの初回申請を選びます。

初回は、原則として最初と次の2つの支給単位期間をまとめて申請します。本人が希望する場合は、1つの支給単位期間だけで申請することもできます。

支給決定通知書と次回申請用の支給申請書を確認します。2回目以降は、指定された申請期間内に賃金台帳・出勤簿等を添えて申請します。

初回と2回目以降の申請期限

期限は育児休業の開始日と、ハローワークから指定された申請期間を基準に確認します。
手続き提出時期
受給資格確認だけを先に行う初回の支給申請を行う日まで
受給資格確認と初回支給申請を同時に行う育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月末まで
2回目以降ハローワークが育児休業給付次回支給申請日指定通知書で指定する期間内
分割取得した2回目の育児休業受給資格確認は原則不要ですが、初回用の申請書を使って別途申請

育児休業中に働いた場合と賃金が出た場合

就業日数・時間と、休業期間を対象とする賃金の両方を確認します。
状況取扱い
1支給単位期間の就業が10日以下ほかの要件を満たせば支給対象になり得ます。
就業が10日を超える就業時間が80時間以下なら支給対象になり得ます。分単位の端数処理にも注意します。
賃金が休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上育児休業給付金は支給されません。
賃金が80%未満支払われた賃金額により給付額が減額される場合があります。
一時的な就業後も育児休業を続けることが明らか就業上限の範囲内なら、直ちに職場復帰扱いになるとは限りません。

出典:厚生労働省「Q&A~育児休業等給付~」Q33、Q34および「育児休業等給付の内容と支給申請手続」12、16~19ページ(確認日:2026年7月28日)

申請前に確認したい注意点

申請遅れや不支給を防ぐため、次の点を確認します。

  • 育児休業開始日と、子が1歳に達する日を混同していないか
  • 勤務先の社内締切と、ハローワークへの法定上の申請期限を分けて確認したか
  • 支給単位期間ごとの就業日数・就業時間を、勤務先以外で働いた分も含めて記録したか
  • 休業期間を対象として支払われた賃金を、賃金台帳で確認したか
  • 2回目以降の申請日を、次回支給申請日指定通知書で確認したか
  • 最初から退職を予定した育児休業になっていないか
  • 保育所等に入れないことを理由に延長する場合、通常の申請とは別に延長書類を準備したか
  • 出生後休業支援給付金や社会保険料免除を、育児休業給付金と同じ手続きだと思っていないか

よくある質問

育児休業を取る本人が申請しますか?

原則は事業主が事業所所在地を管轄するハローワークへ申請します。本人が希望すれば直接申請も可能ですが、勤務先が管理する賃金・出勤資料が必要です。

初回の給付金は育休開始直後に申請できますか?

通常は最初と次の2つの支給単位期間をまとめて申請するため、休業開始直後に支給申請が完了するわけではありません。受給資格確認だけを先に行う方法もあります。

初回申請をすれば、その後は自動で振り込まれますか?

自動ではありません。原則2か月に1回、ハローワークが指定する期間内に支給申請を行います。本人が希望する場合は1か月に1回の申請も可能です。

男性も育児休業給付金を申請できますか?

申請できます。出生直後に産後パパ育休を取得する場合は出生時育児休業給付金、通常の育児休業を取得する場合は育児休業給付金の要件を確認します。

育児休業中に退職したら、受給済みの給付金を返しますか?

受給資格確認時点で退職予定だった場合を除き、通常は受給済みの給付金を返す必要はありません。2025年4月1日以後に退職した方は退職日まで支給対象となる取扱いですが、個別日程を勤務先とハローワークへ確認してください。

次に行うこと

まず勤務先の人事・総務へ、育児休業開始日、申請担当者、受給資格確認を先に行うか、初回申請と同時に行うかを確認してください。開始日から4か月を経過する日の属する月末をカレンダーに登録し、勤務先の社内締切、必要書類、2回目以降の申請予定も整理します。

出生後休業支援給付金の対象者と申請方法を確認する出生直後の休業で13%が上乗せされる条件と必要書類を確認します。育児休業給付金の延長手続きを確認する保育所等に入れない場合に、育児休業給付金を1歳6か月または2歳まで延長する手続きを確認します。育児休業等取得者申出書の提出方法を確認する育児休業中の健康保険・厚生年金保険料免除は、事業主が日本年金機構へ行う別手続きです。育児時短就業給付金の申請方法を確認する育児休業から復帰して2歳未満の子を養育しながら時短勤務を始める場合の給付を確認します。

この記事は、厚生労働省の公式情報を2026年7月28日に確認して作成しています。雇用保険の加入記録、育児休業期間、就業・賃金の状況、有期雇用契約、退職予定などにより判断が異なるため、勤務先と事業所所在地を管轄するハローワークへ確認してください。