失業手当(雇用保険の基本手当)は、原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上あり、働く意思・能力があって求職中なのに就職できない方が対象です。倒産・解雇などでは、離職前1年間に6か月以上で対象となる場合があります。

失業手当をもらうための基本条件

基本手当の受給資格を確認するときは、被保険者期間と現在の失業状態の両方を確認します。
確認項目全国共通の原則確認先
雇用保険の被保険者期間原則として離職前2年間に通算12か月以上離職票と雇用保険記録を基にハローワークが確認
倒産・解雇等の一定の離職理由離職前1年間に通算6か月以上で受給資格を満たす場合がある特定受給資格者・特定理由離職者への該当性をハローワークが確認
働く意思と能力積極的に就職する意思があり、健康状態や環境の面ですぐに働ける求職申込みと本人の状況をハローワークが確認
現在の就業状況積極的に仕事を探しているが、職業に就いていない失業状態である就労、内定、自営、役員就任などを個別に確認
受給手続き住居所を管轄するハローワークで求職申込みと離職票提出を行う管轄ハローワーク
出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」Q1・Q2、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

原則は2年間に12か月、一定の離職理由では1年間に6か月

離職理由により、受給資格に必要な被保険者期間の基準が異なります。
離職の区分必要な被保険者期間主な例
一般の離職者離職前2年間に通算12か月以上正当な理由のない自己都合退職など
特定受給資格者離職前1年間に通算6か月以上でも可倒産、事業所の廃止、重責解雇を除く解雇、退職勧奨など
特定理由離職者離職前1年間に通算6か月以上でも可となる場合がある更新を希望した有期契約の雇い止め、病気・介護・通勤困難など正当な理由のある自己都合退職

「会社都合」と呼ばれる事情でも、離職票の表記だけで自動的に確定するわけではありません。ハローワークが本人の説明、事業主の説明、提出資料を確認して離職理由を決めます。実際の退職経緯と離職票の記載が違う場合は、受給手続きの際に申し出てください。

出典:厚生労働省Q&A Q2・Q7、ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

被保険者期間の「1か月」は暦月だけで数えません

被保険者期間は、原則として離職日から1か月ごとに区切り、その期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある場合に1か月として数えます。単に入社日から退職日までの暦月数を数える方法ではありません。

離職前の算定期間に、病気・けが・出産・育児などで30日以上続けて賃金を受けられなかった期間がある場合は、その日数を算定対象期間へ加えられることがあります。加算後の期間は最長4年間です。また、過去に基本手当や再就職手当などを受けた場合は、その受給後の被保険者期間が新しい受給資格の算定対象となります。

出典:厚生労働省Q&A Q2、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

受給には「失業の状態」であることが必要

基本手当の対象となる失業状態は、次の条件をすべて満たす状態です。

  • 積極的に就職しようとする意思がある
  • 健康状態や家庭環境などの面で、すぐに就職できる能力がある
  • 求人応募や職業相談など、積極的に仕事を探している
  • 現在は職業に就いていない
  • 雇用の予約や就職の内定・決定がない

退職した事実だけでは基本手当の受給資格は決まりません。求職する意思がない期間や、すぐに働けない期間は、雇用保険に長く加入していても基本手当を受けられないことがあります。

出典:厚生労働省Q&A Q1・Q2、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

失業手当をすぐに受けられない主な状態

次の状態では、基本手当の対象となる「すぐに働ける失業状態」に当たらないか、個別確認が必要です。

  • 病気やけがで、すぐには就職できない
  • 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できない
  • 定年退職後などに、しばらく休養する予定で求職しない
  • 家事や学業に専念し、すぐに就職する予定がない
  • 自営業を行っている、または事業の準備に専念している
  • 会社などの役員に就任している。活動や報酬がない場合を含め、管轄ハローワークへの確認が必要
  • すでに就職先が決まっている、または雇用の予約がある
出典:厚生労働省Q&A Q2・Q12~Q16、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

自己都合退職でも条件を満たせば受給できます

正当な理由のない自己都合退職でも、原則12か月の被保険者期間と失業状態などの条件を満たせば、基本手当の受給資格を得られます。ただし、受給手続き後の7日間の待期に加え、離職日や過去の受給資格決定の回数などに応じた給付制限がかかる場合があります。

65歳以上で離職した場合は給付の種類が異なります

65歳以上の雇用保険被保険者が離職した場合は、一般の基本手当ではなく、高年齢求職者給付金の対象を確認します。高年齢求職者給付金は被保険者期間に応じて一時金として支給される制度で、基本手当とは受給要件や失業認定の回数が異なります。離職時の年齢と雇用保険の区分を管轄ハローワークへ確認してください。

出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」高年齢求職者給付金について(確認日:2026年7月27日)厚生労働省 ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

自分が対象か確認する手順

離職日、離職理由、雇用保険へ加入していた勤務先と期間を整理します。複数の離職票がある場合は短期間のものも含めてすべて用意します。

現在、すぐに働けるか、就職先が決まっていないか、求職活動を始められるかを確認します。すぐ働けない場合は受給期間延長の相談を優先します。

住居所を管轄するハローワークで求職の申込みを行い、離職票を提出します。ハローワークが被保険者期間、離職理由、失業状態を確認し、受給資格を決定します。

離職理由の記載に異議がある場合は、その場で申し出ます。退職勧奨、契約更新の希望、病気、介護、通勤困難などを説明できる資料があれば提出します。

出典:厚生労働省Q&A Q4・Q6・Q7、ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

受給手続き前のチェックリスト

管轄ハローワークへ行く前に、次の項目を確認します。

  • 離職日と離職理由を確認した
  • 離職票-1・離職票-2を用意した
  • 複数の離職票がある場合はすべて用意した
  • 雇用保険へ加入していた勤務先と期間を整理した
  • すぐに働ける状態で、求職を始める意思がある
  • 就職先や雇用の予約が決まっていない
  • 離職理由に異議がある場合は説明資料を整理した
  • 個人番号・身元確認書類、写真またはマイナンバーカード、本人名義の口座情報を用意した
  • 管轄ハローワークの所在地と受付時間を確認した

よくある質問

自己都合退職でも失業手当はもらえますか?

もらえる場合があります。原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上あり、すぐに働ける状態で求職中であることなどが必要です。正当な理由のない自己都合退職では、受給資格決定後に待期と給付制限がかかる場合があります。

雇用保険の加入が10か月でも受給できますか?

一般の離職者は原則として離職前2年間に12か月以上が必要なため、10か月だけでは通常は基準を満たしません。ただし、倒産・解雇等で6か月基準が適用される場合、前職の加入期間を通算できる場合、病気等で算定期間が延長される場合があります。離職票と雇用保険記録でハローワークへ確認してください。

退職後に療養中でも失業手当を受けられますか?

すぐに就職できない状態では基本手当を受けられません。30日以上続けて働けない場合は、受給期間を延長できることがあります。療養期間と離職日を管轄ハローワークへ伝え、必要な手続きを確認してください。

65歳以上でも同じ失業手当を受けますか?

給付の種類が異なります。65歳以上の被保険者が離職した場合は、高年齢求職者給付金の対象を確認します。被保険者期間や失業状態などの要件があるため、離職票を持って管轄ハローワークへ相談してください。

公式情報と確認日

厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・2026-07-27確認ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省 ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省 ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省 ハローワークインターネットサービス・2026-07-27確認

次にすること

離職票が手元にある方は、離職日、離職理由、雇用保険の加入期間、現在すぐに働けるかを確認し、住居所を管轄するハローワークへ早めに相談してください。すぐ働けない方は、通常の受給手続きより先に受給期間延長の対象を確認します。

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