失業・退職で国民年金保険料の納付が難しい方は、未納にせず免除・納付猶予を申請してください。失業の事実を確認できれば本人の前年所得を問わない特例があり、離職票などを添えてマイナポータル、窓口または郵送で申請できます。

失業時の免除・納付猶予の概要

失業・退職後に国民年金保険料の納付が難しい場合の主な確認項目です。
確認項目内容
主な対象国民年金第1号被保険者で、収入減少や失業等により保険料の納付が経済的に難しい方
失業特例失業等の事実を確認できる場合、失業した本人の前年所得にかかわらず審査する特例があります
申請方法マイナポータル、市区町村窓口、年金事務所窓口、年金事務所への郵送
申請可能期間納付期限から2年を経過していない期間。申請時点から2年1か月前まで遡及できます
免除年度7月から翌年6月まで。複数年度分は年度ごとに申請します
令和8年度分2026年7月から2027年6月まで
審査結果全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除、納付猶予、却下など、所得要件等により異なります
出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

対象者と失業特例の所得審査

通常の免除・納付猶予は、申請する年度に対応する前年所得を基に審査されます。1月から6月に申請する場合は前々年所得が対象です。失業等の事実を確認できる場合は、失業した本人について前年所得にかかわらず審査する特例があります。

免除と納付猶予では、年齢条件と所得審査の対象者が異なります。
制度主な年齢条件所得審査の対象
保険料免除国民年金第1号被保険者。学生、任意加入者などは別制度または対象外本人・世帯主・配偶者
納付猶予20歳以上50歳未満の国民年金第1号被保険者。学生は学生納付特例を確認本人・配偶者。世帯主の所得審査はありません

学生は免除・納付猶予ではなく学生納付特例を確認します。生活保護の生活扶助を受けている方や障害年金を受けている方は法定免除、出産予定または出産した方は産前産後期間の免除が該当する場合があります。任意加入中の方は免除・納付猶予を申請できません。

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

免除と納付猶予の違い

どちらも未納のままにする制度ではありませんが、老齢基礎年金額への反映が異なります。
項目保険料免除納付猶予
承認内容全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除保険料の納付を猶予
受給資格期間承認期間は算入されます承認期間は算入されます
老齢基礎年金額全額免除・一部免除は所定の割合で反映されます追納しない限り年金額には反映されません
一部免除の支払い減額後の保険料を納付する必要があります承認期間中の納付は猶予されます
所得審査本人・世帯主・配偶者本人・配偶者
年齢第1号被保険者の対象範囲内20歳以上50歳未満
出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

失業特例の申請に必要な書類

紙申請で用意する基本書類と、失業等を確認する書類です。申請方法や本人確認方法に応じて必要なものを選びます。

  • 国民年金保険料免除・納付猶予申請書
  • 基礎年金番号通知書、年金手帳など基礎年金番号が分かる書類
  • マイナンバーで申請する場合はマイナンバーカード。持っていない場合は個人番号確認書類と運転免許証・パスポート・在留カード等の身元確認書類
  • 雇用保険被保険者離職票のコピー
  • 雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知のコピー
  • 複数年度分を申請する場合は年度ごとの申請書

過去に同じ失業等の事由で免除・納付猶予を申請し、失業の事実を確認できる書類を添付済みの場合は、同じ書類を改めて添付する必要はありません。離職票等を用意できない場合でも、公的機関が交付した別の書類で失業の事実を確認できることがありますが、別途申立書が必要となるため年金事務所へ確認してください。

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「ケース11:国民年金保険料の免除を受けるとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

失業後に免除・納付猶予を申請する手順

退職日の翌日から厚生年金や国民年金第3号被保険者に該当しない場合は、国民年金第1号被保険者への切り替えが済んでいるか確認します。切り替えと免除・納付猶予は別の手続きです。

納付が難しい月と申請年度を確認します。免除年度は7月から翌年6月までで、複数年度分を申請する場合は年度ごとに手続きを行います。

離職票、雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知など、失業の事実を確認できる書類を用意します。本人確認を基礎年金番号とマイナンバーのどちらで行うかも決めます。

マイナポータル、市区町村窓口、年金事務所窓口、年金事務所への郵送から申請方法を選び、国民年金保険料免除・納付猶予申請を提出します。

審査結果を確認します。一部免除となった場合は、減額後の保険料を納付します。納付猶予や免除期間を将来の年金額へ反映させたい場合は、後日の追納も検討できます。

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

マイナポータルで電子申請する方法

電子申請を始める前に準備するものです。

  • マイナンバーカード
  • 利用者証明用電子証明書パスワード(数字4桁)
  • 券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)
  • マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンなど
  • 離職票等を添付する場合はJPEGまたはPDF形式のデータ

マイナポータルでは、次の流れで免除・納付猶予を申請します。

  1. マイナポータルへログインし、トップ画面の「年金」を選びます。
  2. 「国民年金に加入する方・加入中の方の手続き」を選びます。
  3. 「保険料の免除・納付猶予、または学生納付特例」を選びます。
  4. 学生でない方は「学生でない」を選びます。
  5. すでに国民年金へ加入中なら「国民年金に加入中」を選びます。加入手続きも必要な退職者は「会社を退職した方、配偶者の扶養から外れた方等」を選びます。
  6. カードを読み取り、申請内容を入力し、必要な離職票等をJPEGまたはPDFで添付します。
  7. 入力内容と個人情報の取扱いを確認して送信します。申請後はマイナポータルの申請状況照会で状況と審査結果を確認します。
出典:日本年金機構「電子申請(マイナポータル)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

窓口・郵送で申請する方法

紙で申請する場合は、日本年金機構の現行様式「国民年金保険料 免除・納付猶予申請書」を使用します。住所地の市区役所・町村役場の国民年金担当窓口、または最寄りの年金事務所へ提出できます。年金事務所には郵送でも提出できます。

紙申請では、次の点を確認してから提出します。

  • 申請年度を確認し、複数年度分は年度ごとに申請書を用意する
  • 失業等による特例を希望することが分かるよう、申請書の該当欄を記入する
  • 離職票等のコピーを添付する
  • マイナンバーを記入した申請書を郵送する場合は、その都度、本人確認書類の写しを添付する
  • 書類が不足する場合や失業を示す標準的な書類がない場合は、提出前に年金事務所へ確認する
出典:日本年金機構「ケース11:国民年金保険料の免除を受けるとき」「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

申請期限と年度の注意点

申請可能期間と年度の考え方を整理します。
項目確認内容
遡及できる期間保険料の納付期限から2年を経過していない期間。申請時点から2年1か月前まで
免除年度7月から翌年6月まで
令和8年度分2026年7月から2027年6月まで。2026年7月から申請可能
複数年度分年度ごとに申請書または電子申請が必要
失業特例で承認された翌年度継続審査の対象とはならないため、必要であれば翌年度も申請
各月の最終期限納付期限の2年後が基準です。休日等に当たる窓口・郵送の期限は日本年金機構の月別表で確認
出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

承認後に確認すること

免除・納付猶予の承認後は、次の点を確認します。

  • 全額免除か、一部免除か、納付猶予かを審査結果で確認する
  • 一部免除の場合は減額後の保険料を納付する
  • 納付猶予期間は追納しない限り老齢基礎年金額に反映されないことを確認する
  • 免除期間も全額納付時より老齢基礎年金額への反映が少なくなることを確認する
  • 経済状況が回復したら、承認月の前10年以内の期間について追納を検討する

追納は自動ではありません。年金事務所へ申し出て、免除・納付猶予された保険料を後から納めます。承認期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料に加算額が上乗せされます。

出典:日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

申請前チェックリスト

申請前に確認する項目です。

  • 国民年金第1号被保険者への切り替えが必要か確認した
  • 免除を申請する月と年度を確認した
  • 本人・配偶者・世帯主のどこまで所得審査があるか確認した
  • 離職票、受給資格者証、受給資格通知などを用意した
  • マイナポータル、窓口、郵送の申請方法を決めた
  • 複数年度分がある場合は年度ごとに申請する準備をした
  • 税の申告が済んでいない家族がいないか確認した
  • 一部免除となった場合に減額後の保険料を納付することを確認した

よくある質問

退職前の収入が高くても免除を申請できますか?

申請できます。離職票などで失業の事実を確認できれば、失業した本人は前年所得にかかわらず特例審査を受けられます。免除では世帯主・配偶者、納付猶予では配偶者の所得審査が残る点に注意してください。

実家の世帯主に収入があると申請できませんか?

免除は本人・世帯主・配偶者の所得を審査するため、世帯主の所得により承認されない場合があります。20歳以上50歳未満の方が申請できる納付猶予は、本人・配偶者を審査し、世帯主の所得は審査しません。最終的な承認は個別審査です。

離職票がないと失業特例を申請できませんか?

離職票以外でも、雇用保険受給資格者証や雇用保険受給資格通知のコピーで申請できます。これらを用意できない場合は、別の公的書類と申立書で確認できることがあるため、年金事務所へ必要書類を確認してください。

退職から時間がたっていても申請できますか?

申請できる可能性があります。ただし月ごとに期限があり、遅れるほど申請可能な月が減ります。障害・死亡後の遡及申請では納付要件に算入されない場合もあるため、対象月を日本年金機構の月別表で確認して速やかに申請してください。

一度承認されれば翌年度も自動で免除されますか?

失業等による特例免除の承認を受けた方は継続審査の対象外で、翌年度も免除・納付猶予が必要な場合は改めて申請します。免除年度は7月から翌年6月までです。

公式情報と確認日

日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「ケース11:国民年金保険料の免除を受けるとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「電子申請(マイナポータル)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

次にすること

まず、退職日の翌日から国民年金第1号被保険者になるかを確認してください。加入手続きが必要な方は切り替えを進め、保険料の納付が難しければ、離職票等を用意して免除・納付猶予を速やかに申請します。配偶者の扶養に入る予定がある方は、第3号被保険者になる日も勤務先へ確認してください。

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