出生時育児休業給付金は、子の出生直後に産後パパ育休を取得し、雇用保険の要件を満たす方へ、休業開始時賃金日額の67%相当を最大28日分支給する給付です。

出生時育児休業給付金の概要

対象期間、日数、支給率、申請方法を先に整理します。
確認項目内容
対象雇用保険の被保険者が、子を養育するために産後パパ育休(出生時育児休業)を取得し、加入期間・就業日数などの要件を満たす場合
休業できる対象期間「出生日と出産予定日の早い日」から「遅い日を基準に8週間を経過する日の翌日」までの間
支給日数合計28日が上限
分割取得2回まで。給付の申請は2回分をまとめて1回行います
支給率休業開始時賃金日額×支給日数×67%。支給額には上限があります
主な対象者原則として父親。出産した女性は産後8週間が産後休業となるため、女性が対象になるのは基本的に養子の場合です
申請者原則として事業主経由。本人が希望する場合は本人申請も可能
申請先事業所所在地を管轄するハローワーク。e-Govの電子申請も利用できます

対象になるための主な要件

個別の受給資格はハローワークが確認します。まず次の要件を確認してください。

  • 対象期間内に、初日と末日を明らかにして産後パパ育休を取得し、事業主が取得を認めている
  • 休業の合計が28日以内で、分割する場合は2回以内である
  • 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の完全月が12か月以上ある。11日以上の月がない場合は、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月で確認する
  • 休業中の就業日数・時間が、休業日数に応じた上限以内である
  • 出生時育児休業の初日から末日まで雇用保険の被保険者である
  • 休業後の職場復帰を前提としており、受給資格確認時点から退職を予定した休業ではない

支給額は原則67%・最大28日分

支給額は、原則として「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」です。休業開始時賃金日額は、原則として休業開始前6か月の総支給額から賞与を除き、180で割って算出します。正確な金額は、ハローワークへ提出する休業開始時賃金月額証明書で決まります。

休業開始時賃金日額が1万円で、休業期間を対象とする賃金が支払われない場合の計算例です。
取得日数計算出生時育児休業給付金
14日1万円×14日×67%9万3,800円
28日1万円×28日×67%18万7,600円

出生時育児休業給付金が支給された日数は、通常の育児休業給付金で67%が適用される180日へ通算されます。産後パパ育休後も育児休業を続ける場合は、給付率が50%へ変わる時期の計算に影響します。

休業中に働ける日数・時間の上限

出生時育児休業中に一時的に働く場合は、休業日数に応じて就業できる日数・時間の上限が変わります。日数が上限を超える場合でも、時間が上限以内なら支給対象になり得ます。

厚生労働省が示す主な就業上限の例です。
出生時育児休業の合計日数就業日数・時間の上限
28日最大10日。10日を超える場合は80時間以下
14日最大5日。5日を超える場合は40時間以下
10日最大4日。4日を超える場合は約28.57時間以下

賃金が支払われた場合の取扱い

休業に対応する賃金が支払われると、出生時育児休業給付金が減額または不支給になることがあります。休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の対象賃金が支払われる場合、出生時育児休業給付金は支給されません。80%未満でも賃金額に応じて減額される場合があります。

2026年8月1日から賃金申告の基準が変わります

休業開始日によって申請時の賃金申告の取扱いを分けて確認します。
出生時育児休業の開始日申請時に確認する賃金
2026年7月31日以前従来の取扱いとして、出生時育児休業期間を対象として支払われた賃金を申告
2026年8月1日以降出生時育児休業期間中に支払日のある賃金を申告。ただし、出生時育児休業期間または育児休業期間を対象とした賃金が対象です。分割取得では、2つの休業の間の就労期間に支払日のある賃金も含めて確認します

申請に必要な書類

原則として勤務先が、本人の休業日程・賃金・出勤記録と子の出生を確認できる資料をそろえます。

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・出生時育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
  • 労働者名簿、育児休業申出書、育児休業取扱通知書など、休業開始日・終了日を確認できる書類
  • 賃金台帳など、賃金額と支払状況を確認できる書類
  • 出勤簿、タイムカードなど、休業中の就業日数・時間を確認できる書類
  • 母子健康手帳の出生届出済証明・出産予定日が記載されたページ、住民票、医師の診断書など、出産予定日・出生日・育児の事実を確認できる書類
  • 新たに振込口座を登録する場合は、キャッシュカードの写しなど口座番号を確認できる書類
  • 出生後休業支援給付金も同時に申請する場合は、配偶者の育児休業または配偶者要件の例外を確認できる書類

出生時育児休業給付金を申請する手順

出産予定日を基に、産後パパ育休の開始日・終了日と、1回または2回に分ける取得日程を勤務先へ申し出ます。合計28日以内、分割2回以内で計画してください。

勤務先が、雇用保険の加入期間、有期雇用の場合の契約期間、休業後の復職予定を確認します。12か月要件に届かない場合は、確認期間を広げられる事情がないか管轄ハローワークへ相談します。

休業開始時賃金月額証明書、支給申請書、休業申出書、賃金台帳、出勤簿、母子健康手帳などをそろえます。出生後休業支援給付金を同時申請する場合は、配偶者に関する資料も追加します。

休業中の就業日数・時間と、申告対象となる賃金を確定します。2026年8月1日以降に開始する休業は、新しい賃金申告の取扱いで給与支払日と対象期間を確認します。

申請開始日を確認し、原則として事業主が事業所所在地を管轄するハローワークへ提出します。e-Govの電子申請も利用できます。本人が希望する場合は本人申請も可能です。

支給決定通知書の支給日数、休業開始時賃金日額、支給額、振込口座を確認します。出生後休業支援給付金を同時申請した場合は、給付ごとに支給・不支給の通知を確認します。

申請開始日と期限

通常の8週間経過前でも、28日取得または2回目の休業終了により申請を始められる場合があります。
取得状況申請開始日申請期限
通常子の出生日(予定日前に出生した場合は予定日)から8週間を経過する日の翌日申請開始日から2か月を経過する日の属する月末
取得日数が28日に達した28日に達した日の翌日その申請開始日から2か月を経過する日の属する月末
2回に分けて取得した2回目の出生時育児休業を終了した日の翌日その申請開始日から2か月を経過する日の属する月末

育児休業給付金・出生後休業支援給付金との違い

名前が似ている3つの給付は、対象期間と役割が異なります。
給付主な対象支給率・役割
出生時育児休業給付金子の出生直後の対象期間に産後パパ育休を取得原則67%、最大28日分
出生後休業支援給付金出生時育児休業給付金または育児休業給付金の対象休業を14日以上取得し、配偶者要件も満たす場合13%を最大28日分上乗せ。基礎給付と合計80%相当
育児休業給付金原則1歳未満の子を養育する通常の育児休業原則180日目まで67%、181日目以降50%

子の出生後から長期間の育児休業を取る場合は、出生時育児休業給付金を申請せず、通常の育児休業給付金だけを申請することも可能です。休業制度の選択と給付申請を勤務先へ確認してください。

申請前チェックリスト

申請漏れや計算違いを防ぐため、次の項目を確認します。

  • 出生日と出産予定日の両方を確認した
  • 産後パパ育休の合計が28日以内、分割が2回以内である
  • 休業開始日前2年間の雇用保険加入期間を確認した
  • 有期雇用の場合は契約満了予定を確認した
  • 休業中の就業日数・時間が比例上限以内である
  • 休業に対応する賃金と給与支払日を確認した
  • 2026年8月1日前後のどちらの賃金申告取扱いが適用されるか確認した
  • 必要書類と社内締切を人事・総務へ確認した
  • 申請開始日と月末の申請期限をカレンダーへ登録した
  • 出生後休業支援給付金13%の同時申請要件を確認した

よくある質問

母親も出生時育児休業給付金を受けられますか?

原則として父親向けです。出産した女性は産後8週間が産後休業となるため、女性が対象になるのは基本的に養子の場合です。

産後パパ育休を30日取った場合、30日分が支給されますか?

出生時育児休業給付金は最大28日分です。超える部分を通常の育児休業として扱う場合は、勤務先と管轄ハローワークへ確認してください。

2回に分けて休んだら、給付も2回に分けて申請しますか?

給付申請はまとめて1回です。申請書に1回目と2回目の休業期間、就業日数・時間、賃金を分けて記載します。

産後パパ育休を取れば必ず80%もらえますか?

必ずではありません。67%の出生時育児休業給付金に加え、出生後休業支援給付金の本人・配偶者要件を満たす必要があります。

本人がハローワークへ申請するのですか?

原則は事業主経由です。まず勤務先の人事・総務へ、申請担当者、社内締切、必要書類を確認してください。

次に行うこと

出産予定日を基に産後パパ育休の日程を決めたら、勤務先の人事・総務へ、取得回数、休業開始日・終了日、給与締日・支払日、出生後休業支援給付金の同時申請を伝えてください。申請開始日から2か月を経過する日の属する月末が期限になるため、会社の社内締切もあわせて確認します。

育児休業給付金の申請方法を確認する産後パパ育休後も通常の育児休業を続ける場合の対象条件、支給率、初回・2回目以降の申請を確認します。出生後休業支援給付金の対象者と申請方法を確認する出生直後の休業で13%が上乗せされる本人・配偶者の要件と必要書類を確認します。2026年8月1日からの申請手続き変更を確認する2026年8月1日からの賃金申告など、育児休業等給付の事務取扱い変更を確認します。育児休業等取得者申出書の提出方法を確認する育児休業中の健康保険・厚生年金保険料免除は、勤務先が日本年金機構へ行う別手続きです。

この記事は、厚生労働省の公式情報を2026年7月29日に確認して作成しています。休業日、雇用保険の加入期間、就業・賃金の状況、雇用契約、配偶者の状況により判断が異なるため、勤務先と事業所所在地を管轄するハローワークへ確認してください。