従業員を採用し、健康保険・厚生年金保険の加入対象となる場合は、事業主が事実発生から5日以内に被保険者資格取得届を日本年金機構へ提出します。添付書類は原則不要ですが、60歳以上の継続再雇用などでは追加書類が必要です。
社会保険資格取得届の手続き概要
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出者 | 事業主 |
| 届書 | 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険 70歳以上被用者該当届 |
| 提出期限 | 加入対象となる事実が発生してから5日以内 |
| 資格取得日 | 適用事業所に使用されるに至った日、つまり事実上の使用関係が発生した日 |
| 提出先 | 日本年金機構の事務センターまたは管轄の年金事務所 |
| 提出方法 | 電子申請、電子媒体(CD・DVD)、郵送、窓口持参 |
| 添付書類 | 原則不要。継続再雇用や国保組合の適用除外などは例外 |
資格取得届が必要になる従業員
適用事業所に常用的に使用される70歳未満の方は、国籍、性別、賃金額、年金受給の有無にかかわらず、原則として被保険者となります。「常用的に使用される」とは、雇用契約書の有無だけでなく、事業所で働き、労務の対価として給与や賃金を受ける使用関係が常用的であることを指します。報酬が支払われる試用期間も対象になり得ます。
| 従業員の区分 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 通常の従業員 | 適用事業所に常用的に使用される70歳未満の方は、原則として健康保険・厚生年金保険の被保険者です。 |
| パート・アルバイトの4分の3基準 | 週の所定労働時間と月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3以上なら被保険者となります。 |
| 4分の3未満の短時間労働者 | 特定適用事業所等で、週20時間以上、2か月を超える雇用見込み、学生でないことなどの要件を確認します。2026年7月27日時点では所定内賃金月額8.8万円以上の要件も現行です。 |
| 70歳以上の方 | 厚生年金保険の被保険者ではありませんが、一定の要件を満たす70歳以上被用者は同じ届書による該当届が必要です。 |
届書を作る前に従業員から確認する情報
事業主は、資格取得届を作成する前に次の情報と書類を確認します。
- 氏名、フリガナ、生年月日、性別
- 資格取得日となる雇用開始日・使用関係の発生日
- マイナンバーまたは基礎年金番号
- 基礎年金番号を記載する場合の住所
- 毎月の報酬見込み額と、通貨・現物給与の内訳
- 短時間労働者に該当するか
- 70歳以上被用者に該当するか
- 外国籍従業員でローマ字氏名届が必要な条件に該当するか
- 扶養家族がいる場合、被扶養者(異動)届と国民年金第3号被保険者関係届が必要か
日本年金機構は、従業員が事業主へ提示する書類として、基礎年金番号通知書・年金手帳またはマイナンバーカードを案内しています。事業主は番号法に基づく本人確認を行い、マイナンバーまたは基礎年金番号を資格取得届へ記入します。
出典:日本年金機構「被保険者資格取得届の届出不備や誤りの多い事例」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認社会保険資格取得届を提出する手順
採用する事業所が健康保険・厚生年金保険の適用事業所であることを確認します。法人事業所は事業主のみの場合を含めて原則として強制適用事業所です。個人事業所は業種と常時使用する従業員数により異なります。
従業員が加入対象かを判定します。通常の従業員、4分の3基準に該当するパート・アルバイト、特定適用事業所等の短時間労働者、70歳以上被用者の区分を確認してください。
資格取得日を確定します。届書には、適用事業所に使用されるに至った日、つまり事実上の使用関係が発生した日を記入します。報酬が支払われる試用期間を一律に除外しないでください。
従業員からマイナンバーまたは基礎年金番号、住所、報酬、扶養状況などを確認します。マイナンバーを扱う際は、事業所の本人確認と安全管理の手順に従います。
日本年金機構の公式ページから現行の「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険 70歳以上被用者該当届」と記入例を取得し、必要事項を記入します。
電子申請、電子媒体、郵送、窓口持参のいずれかで、事実発生から5日以内に事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出します。電子申請ではe-Gov、届書作成プログラム、対応する労務管理ソフトを利用できます。
提出後は受付結果や返戻の有無を確認します。不備で返戻された場合は内容を修正して再提出し、従業員へ資格取得日と、資格情報のお知らせ・資格確認書等の案内方法を伝えます。
資格取得届で間違いやすい記入項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 資格取得年月日 | 適用事業所に使用されるに至った日を必ず記入します。 |
| 個人番号・基礎年金番号 | 原則としてマイナンバーを記入します。記入できない場合は基礎年金番号を記入します。 |
| 住所 | マイナンバーを記入した場合は住所を省略できますが、基礎年金番号を記入した場合は住所が必要です。 |
| 短時間労働者欄 | 特定適用事業所等の短時間労働者は、備考欄の該当項目へ丸印を付けます。 |
| 報酬月額 | 通貨、現物、合計のすべてを記入します。現物給与がない場合も現物欄へ0を記入し、合計額を記入します。 |
| 60歳以上の継続再雇用 | 備考欄の該当項目へ丸印を付け、資格喪失届と資格取得届を同時提出し、必要書類を添付します。 |
添付書類は原則不要|追加書類が必要なケース
| ケース | 追加で確認する書類・手続き |
|---|---|
| 60歳以上の方を退職後1日の空白なく再雇用 | 退職日を確認できる就業規則・退職辞令の写しと、再雇用を確認できる雇用契約書等、または退職日・再雇用日を記載した事業主証明書。資格喪失届も同時提出します。 |
| 国民健康保険組合へ引き続き加入 | 健康保険 被保険者適用除外承認申請書を資格取得届とともに提出します。原則として事実発生日から14日以内です。 |
| 該当する外国籍従業員 | マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない方、個人番号制度の対象外の方は、厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届をあわせて提出します。 |
| 扶養家族を加入させる | 資格取得届とは別に健康保険 被扶養者(異動)届を確認します。20歳以上60歳未満の配偶者が第3号被保険者になる場合は国民年金第3号関係の届出も確認します。 |
| 2カ所以上の適用事業所で同時に勤務 | 従業員本人が、事実発生から10日以内に所属選択・二以上事業所勤務届を提出する手続きがあります。 |
電子申請・電子媒体・郵送・窓口の違い
| 提出方法 | 主な使い方 | 確認点 |
|---|---|---|
| e-Gov | 特別な届書作成ソフトを使わず、幅広い届書をオンラインで提出する場合 | e-Govアカウント、認証、添付書類、申請状況の確認方法を準備します。 |
| 届書作成プログラム | 無料プログラムで主要な届書を作成・電子申請する場合 | 最新版、仕様、提出データのチェック結果を確認します。 |
| 対応する労務管理ソフト | 多数の従業員情報を労務管理システムから申請する場合 | 利用ソフトの対応届書、電子申請設定、返戻データの確認方法を確認します。 |
| 電子媒体 | CDまたはDVDで提出する場合 | 媒体仕様と対象届書を日本年金機構の最新案内で確認します。 |
| 郵送・窓口持参 | 紙の届書を事務センターまたは管轄年金事務所へ提出する場合 | 現行様式、提出先、控えの管理、郵送日数を確認します。 |
5日を過ぎた場合と届出漏れの注意
5日以内に提出できなかった場合も、資格取得届が不要になるわけではありません。加入対象となった事実と資格取得日を確認し、事務センターまたは管轄の年金事務所へ速やかに提出してください。個別の補正書類や確認資料が必要かは提出先へ確認します。
出典:日本年金機構「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認資格取得後すぐに受診予定がある場合
協会けんぽの事業所では、資格取得後に「資格情報のお知らせ」と、発行が必要な場合の資格確認書が交付されます。マイナ保険証の資格情報が利用可能になる前や資格確認書の交付前に受診予定がある場合は、事業主または被保険者が健康保険被保険者資格証明書の交付申請を確認できます。
出典:日本年金機構「健康保険被保険者資格取得後、早急に保険医療機関等で診療等を受けようとするとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認提出前チェックリスト
資格取得届を5日以内に提出するための確認項目です。
- 採用する事業所の適用区分を確認した
- 従業員が通常の被保険者、短時間労働者、70歳以上被用者のどれに当たるか確認した
- 事実上の使用関係が発生した資格取得日を確認した
- マイナンバーまたは基礎年金番号を本人へ確認した
- 基礎年金番号を記入する場合は住所も記入した
- 報酬月額の通貨・現物・合計を記入した
- 短時間労働者や継続再雇用者の備考欄を確認した
- 条件付きの添付書類、扶養関係届、ローマ字氏名届の要否を確認した
- 事務センターまたは管轄年金事務所と提出方法を確認した
- 事実発生から5日以内に提出できる日程を確認した
よくある質問
社会保険の資格取得届は従業員本人が提出しますか?
いいえ。健康保険・厚生年金保険の資格取得届は事業主が提出します。従業員本人が複数事業所勤務の所属選択届を提出するなど、別の手続きが必要になる場合はあります。
試用期間が終わってから資格取得届を出せばよいですか?
一律にはできません。日本年金機構は、試用期間中でも報酬が支払われる場合は使用関係が認められると案内しています。実際の使用関係が発生した日と加入要件を確認し、5日以内に届け出ます。
パートやアルバイトは資格取得届の対象外ですか?
対象外とは限りません。通常の労働者の週所定労働時間と月所定労働日数の4分の3以上なら加入対象です。4分の3未満でも、特定適用事業所等で短時間労働者の要件を満たす場合は加入対象となります。
従業員のマイナンバーを資格取得届へ記入できない場合はどうしますか?
個人番号を有していないなどの理由でマイナンバーを記入できない場合は、基礎年金番号を記入します。基礎年金番号を記入した場合は住所の記入も必要です。番号自体が確認できない場合は、空欄のまま提出せず管轄の年金事務所へ確認してください。
5日以内に提出できなかった場合はどうなりますか?
資格取得届が不要になるわけではありません。事実発生日と必要書類を確認して速やかに提出してください。届出漏れが後から判明した場合は、事実発生日へさかのぼる資格取得と保険料の支払いが必要です。
公式情報と確認日
日本年金機構「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「2-1:従業員を採用したとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「適用事業所と被保険者」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「被保険者資格取得届の届出不備や誤りの多い事例」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「事業所向けオンラインサービス(申請、各種情報・通知書の受け取り)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認次にすること
採用日が決まったら、まず適用事業所の区分と従業員の加入要件を確認し、資格取得日、マイナンバーまたは基礎年金番号、報酬月額をそろえてください。日本年金機構の現行様式と記入例を使い、事実発生から5日以内に提出します。短時間労働者の加入判定、退職時の資格喪失、加入後の資格確認は関連記事で確認できます。
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