還付申告は、確定申告義務がない方でも、源泉徴収された所得税や予定納税額が年間の所得税額を上回るとき、確定申告書を提出して納め過ぎた所得税の還付を受ける手続きです。原則として、対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。

還付申告・通常の確定申告・更正の請求の違い

似た手続きを、いつ使うかで整理します。
手続き使う場面期限の基本
還付申告確定申告義務はないものの、源泉徴収税額や予定納税額が年間税額を上回り、納め過ぎた所得税の還付を受けたい場合対象年の翌年1月1日から5年間
通常の確定申告所得や税額の状況から、法律上、確定申告をする必要がある場合原則として対象年の翌年2月16日から3月15日まで
更正の請求すでに提出した申告で、税額を多く申告した、または還付金を少なく申告したことが分かった場合原則として法定申告期限から5年以内。申告義務のない方が還付申告をした場合は、その提出日から5年以内
出典:国税庁「No.2030 還付申告」「No.2020 確定申告」「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」(確認日:2026年7月28日)国税庁・2026-07-28確認

還付申告の対象になり得る主なケース

国税庁が示す代表例には、次のようなケースがあります。いずれも、計算の結果として所得税の納め過ぎがあることが前提です。

  • 年の途中で退職し、年末調整を受けていない
  • 医療費控除を受ける
  • 寄附金控除を受ける
  • 初めて住宅ローン控除を受けるなど、住宅に関する一定の控除を申告する
  • 災害や盗難による損失について雑損控除を受ける
  • 給与等の源泉徴収税額や予定納税額が、年間の所得税額を上回っている
出典:国税庁「No.2030 還付申告」(確認日:2026年7月28日)国税庁・2026-07-28確認

還付申告はいつからいつまでできるか

期限は申告区分と利用する特例によって異なります。
状況提出時期・期限
確定申告義務がなく、還付申告だけをする対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。通常の確定申告期間を待つ必要はありません。
確定申告義務がある還付になる見込みでも、対象年分の通常の法定申告期限を確認します。
法定申告期限内の提出が要件となる特例を使う還付申告であっても、原則5年ではなく、その特例が求める法定申告期限までに提出します。
すでに同じ年分の申告を提出済み新しい還付申告ではなく、更正の請求など、提出済み申告を訂正する手続きを確認します。

必要な資料は申告理由ごとに異なる

作成を始める前に、次の資料と情報を整理します。

  • 申告する年分を確認した
  • 給与所得の源泉徴収票など、所得金額と源泉徴収税額を確認できる資料を用意した
  • 予定納税をしている場合は、その金額を確認した
  • 医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除など、申告理由に応じた明細・証明資料を確認した
  • 同じ年分の確定申告書をすでに提出していないか確認した
  • 提出時の納税地を所轄する税務署を確認した
  • 申告年分の国税庁の様式・手引きで、添付または保存が必要な資料を確認した

還付申告のやり方

まず、確定申告義務があるかを確認します。義務がない方が納め過ぎの還付を受ける場合は還付申告、申告義務がある場合は通常の確定申告として期限を判断します。

申告する年分の所得資料、源泉徴収税額・予定納税額、受けたい所得控除・税額控除の資料をそろえます。すでに申告済みなら、還付申告ではなく更正の請求を確認します。

国税庁の確定申告書等作成コーナーで対象年分を選び、所得、源泉徴収税額、予定納税額、控除・税額控除を入力して、還付額または納付額を計算します。

e-Taxで送信するか、作成した申告書と必要書類を書面で、提出時の納税地を所轄する税務署へ郵送または持参します。書面提出では、申告年分の本人確認と添付書類の案内も確認します。

送信結果、提出年月日、申告書の控え、計算に使った資料を保存します。税務署から内容確認や資料提出の連絡があった場合に説明できるよう整理してください。

出典:国税庁「No.2030 還付申告」「【申告書の提出】税務署の開庁時間と提出方法」(確認日:2026年7月28日)国税庁・2026-07-28確認

申告前に避けたい間違い

還付申告で特に確認したい点です。

  • 確定申告義務があるのに、5年以内ならよいと判断して通常の申告期限を過ぎる
  • 法定申告期限内の提出が要件となる特例を、5年間いつでも使えると考える
  • 控除額と還付額を同じものだと考える
  • 源泉徴収税額や予定納税額を入力せず、正しい過不足を計算できない
  • すでに申告済みの年分について、訂正手続きを確認せず新しい還付申告を作る
  • 申告理由に必要な明細書・証明資料を一律だと考える

よくある質問

還付申告は2月16日より前でもできますか?

できます。原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。ただし、確定申告義務がある方や、期限内申告が要件となる特例を使う方は別の期限を確認してください。

年末調整を受けた会社員でも還付申告できますか?

できます。医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除の初年度など、年末調整だけでは反映されない項目があり、計算結果として所得税の納め過ぎがあれば還付を受けられます。

確定申告を提出した後に控除漏れへ気づいたら、還付申告を出し直しますか?

通常は新しい還付申告ではなく、更正の請求を確認します。期限は申告状況により異なるため、国税庁の更正の請求手続で確認してください。

医療費控除や寄附金控除の金額がそのまま還付されますか?

そのまま還付されるわけではありません。所得、税率、源泉徴収税額、予定納税額、ほかの控除を含めて所得税を再計算し、納め過ぎとなった金額が還付額になります。

公式情報と確認日

この記事は2026年7月28日時点で、国税庁の還付申告、確定申告、更正の請求、申告書の提出方法に関する公式情報を確認しています。申告する年分の税制、様式、控除要件、添付書類は変更される場合があるため、作成時に対象年分の案内を確認してください。

国税庁「No.2030 還付申告」(確認日:2026年7月28日)国税庁・2026-07-28確認国税庁「No.2020 確定申告」(確認日:2026年7月28日)国税庁・2026-07-28確認国税庁「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」(確認日:2026年7月28日)国税庁・2026-07-28確認国税庁「【申告書の提出】税務署の開庁時間と提出方法」(確認日:2026年7月28日)国税庁・2026-07-28確認

次にすること

まず、申告したい年分の源泉徴収票などの所得資料と、医療費・寄附・住宅ローンなど申告理由に応じた資料をそろえてください。次に、確定申告義務の有無と同じ年分を申告済みかどうかを確認し、国税庁の確定申告書等作成コーナーで税額を計算します。

対象年分の確定申告書を作成してe-Taxで提出する国税庁「確定申告書等作成コーナー」