準確定申告は、亡くなった方に所得税の確定申告が必要な場合、相続人等が死亡日までの所得と税額を計算し、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に申告・納税する手続きです。

準確定申告の概要

準確定申告で最初に確認する項目です。
確認項目内容
申告する人相続人や包括受遺者などの相続人等
計算する期間その年の1月1日から死亡日まで
期限相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内
提出先被相続人の死亡当時の納税地を所轄する税務署
主な書類対象年分の確定申告書、準確定申告書の付表、所得・控除に応じた書類
提出方法書面で所轄税務署へ提出する方法と、e-Taxで送信する方法

準確定申告が必要かを確認する

亡くなった方について確定申告が必要となる所得や取引がある場合は、相続人等が準確定申告を行います。給与・年金だけか、事業・不動産・譲渡などの所得があるか、源泉徴収や予定納税により還付が見込まれるかを確認してください。申告義務の判定は所得の種類、金額、控除などで変わるため、資料が不足する場合は所轄税務署へ確認します。

4か月の期限の数え方

死亡時期によっては、2年分の申告を同じ期限までに行う場合があります。
状況申告する年分と期限
年の途中で死亡した死亡した年の1月1日から死亡日までの所得について、相続開始を知った日の翌日から4か月以内に申告・納税します。
翌年1月1日から通常の確定申告期限までに、前年分を未申告のまま死亡した前年分と、死亡した年の1月1日から死亡日までの本年分を、いずれも相続開始を知った日の翌日から4か月以内に申告・納税します。
納付ではなく還付になる還付を受ける場合も、相続人等と受取方法を整理して準確定申告書を作成します。代表者が他の相続人分の還付金を受け取る場合は委任状を確認します。

準確定申告の必要書類

全員に共通する書類と、条件により必要になる書類を分けて準備します。
書類・資料扱い
所得税及び復興特別所得税の確定申告書被相続人の対象年分の所得、控除、税額を記載します。
死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表各相続人等の氏名・住所・被相続人との続柄などを記載します。
収入を確認する資料給与・年金の源泉徴収票、事業・不動産の帳簿、支払調書、取引報告書など、被相続人の所得に応じて集めます。
所得・控除に応じた明細書や証明書医療費控除の明細書、保険料の証明書、譲渡所得の計算明細書など、申告内容に応じて確認します。
準確定申告の確認書相続人が2人以上でe-Tax提出する場合に、各相続人が申告内容を確認して署名し、PDFで送信します。
委任状相続人代表等が他の相続人に還付される金額をまとめて受け取る場合に提出します。
準確定申告書の付表を確認する国税庁「死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表」(PDF)

準確定申告の手順

被相続人の死亡日、相続の開始を知った日、死亡当時の住所・納税地を確認し、4か月の期限と所轄税務署を特定します。

被相続人に確定申告が必要かを確認します。前年分が未申告のまま通常の確定申告期限前に死亡した場合は、前年分も対象になる点を確認してください。

死亡日までの給与、年金、事業、不動産、配当、譲渡などの収入資料と、源泉徴収税額・予定納税額を確認できる資料を集めます。

死亡日までに確定した所得と、適用できる所得控除を計算します。医療費・保険料・寄附金などは、死亡日までに被相続人が支払った金額を基に確認します。

対象年分の確定申告書と準確定申告書の付表を作成します。所得の種類や控除に応じて、必要な明細書・証明書等をそろえます。

相続人が複数いる場合は申告内容、各相続人の記載、税額・還付金の扱いを確認します。別々に提出する場合は、他の相続人等の氏名を付記し、提出した内容を他の相続人等へ通知します。

書面を被相続人の死亡当時の納税地を所轄する税務署へ提出するか、e-Taxソフト等で送信します。納付税額がある場合は4か月の期限までに納付します。

相続人が2人以上いる場合

共同提出、別々の提出、e-Taxで必要な対応を整理します。
方法確認すること
共同で提出する準確定申告書の付表に各相続人等の情報を記載し、申告内容と税額・還付額を共有します。
各相続人等が別々に提出する他の相続人等の氏名を付記し、提出した申告内容を他の相続人等へ通知します。
e-Taxで提出する相続人代表の利用者識別番号と電子証明書を使用します。相続人が2人以上なら、各相続人が署名した「準確定申告の確認書」をPDFで送信します。
代表者が還付金をまとめて受け取る他の相続人が受ける還付金について、各相続人が署名した委任状を提出します。

e-Taxで準確定申告する場合の注意点

国税庁のe-Tax案内では、次の点を確認する必要があります。

  • 国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーでは準確定申告書を作成できないため、e-Taxソフト等を使用する
  • 準確定申告書と付表をXML形式で送信する
  • 相続人が1人の場合でも付表をXML形式で送信する
  • 相続人が2人以上の場合は、署名済みの準確定申告の確認書をPDFで送信する
  • 相続人代表が送信する場合は、代表者1人分の利用者識別番号と電子証明書を使用する
  • 税理士が代理送信する場合は、国税庁が示す利用者識別番号・電子証明書の扱いを確認する

死亡日後に支払った費用は所得控除に入れない

準確定申告の所得控除は、死亡日を基準に確認します。
控除準確定申告での考え方
医療費控除死亡日までに被相続人が支払った対象医療費を確認します。死亡後に相続人等が支払った医療費は、被相続人の準確定申告には含めません。
社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除など死亡日までに被相続人が支払った保険料等を確認します。
寄附金控除死亡日までに被相続人が支出した対象寄附金を確認します。
配偶者控除・扶養控除など親族関係や所得見積額などを死亡日の現況で判定します。控除額を月割りにはしません。

準確定申告で間違えやすい点

提出前に次の点を確認してください。

  • 通常の確定申告期限まで待たず、相続開始を知った日の翌日から4か月を数える
  • 提出先を相続人の住所地ではなく、被相続人の死亡当時の納税地で確認する
  • 前年分が未申告のまま確定申告期限前に死亡した場合は、前年分も確認する
  • 死亡日後に相続人が支払った医療費や保険料を被相続人の控除へ混ぜない
  • 相続人が複数いる場合に、付表・確認書・委任状の必要性を区別する
  • e-Taxで確定申告書等作成コーナーを使えると思い込まない
  • 相続税と準確定申告の要否・期限を同じものとして扱わない

提出前チェックリスト

準確定申告を提出する前の確認項目です。

  • 相続の開始を知った日と4か月後の期限を確認した
  • 被相続人の死亡当時の納税地と所轄税務署を確認した
  • 死亡した年分と、必要な場合は未申告の前年分を確認した
  • 給与・年金・事業・不動産・譲渡などの所得資料を集めた
  • 死亡日までに支払った医療費・保険料・寄附金等を分けた
  • 対象年分の確定申告書と準確定申告書の付表を作成した
  • 相続人が複数いる場合の共同提出・別々の提出を決めた
  • e-Taxの場合は相続人代表、確認書、電子証明書を確認した
  • 代表者が還付金をまとめて受け取る場合は委任状を確認した
  • 納付税額がある場合は4か月期限までの納付方法を確認した

よくある質問

死亡日から4か月以内に提出すればよいですか?

国税庁の案内は「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」です。多くの場合は死亡を知った時期と近くなりますが、期限の起算日は個別事情で確認してください。

相続人の住所地の税務署へ提出しますか?

原則として相続人の住所地ではありません。亡くなった方の死亡当時の納税地を所轄する税務署長へ提出します。

スマートフォンの確定申告書等作成コーナーで作れますか?

国税庁は、確定申告書等作成コーナーでは準確定申告書を作成できないと案内しています。e-Taxソフト等の利用方法を確認してください。

亡くなった後に家族が支払った医療費も控除できますか?

被相続人の準確定申告で対象になるのは、死亡日までに被相続人が支払った医療費です。死亡後に相続人等が支払った分を被相続人の医療費控除へ含めることはできません。

公式情報と確認日

この記事は2026年7月28日時点で、国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」「所得税及び復興特別所得税の準確定申告のe-Tax対応について」と、国税庁掲載の準確定申告書付表を確認しています。申告義務や必要書類が所得内容により変わる場合は、死亡当時の納税地を所轄する税務署へ確認してください。

次にすること

まず、死亡日、相続開始を知った日、被相続人の死亡当時の住所・納税地をメモし、4か月の期限を確定してください。次に、給与・年金・事業などの所得資料と控除資料を集め、相続人が複数いる場合は代表者と提出方法を決めます。

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