令和8年分の保険料控除申告書は、生命保険、地震保険、自分で支払った社会保険、iDeCoなどの証明書を確認し、該当する4つの控除欄へ記入して勤務先へ提出します。法令上の期限は、その年最後の給与支払日の前日です。
令和8年分保険料控除申告書の概要
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 年末調整で保険料控除を受けようとする給与所得者 |
| 提出期限 | その年最後に給与等の支払を受ける日の前日。勤務先の社内期限が早い場合は社内期限を優先します |
| 提出先 | 給与の支払者である勤務先 |
| 主な控除欄 | 生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除 |
| 対象年分 | 令和8年分の所得税 |
| 提出方法 | 勤務先が指定する紙または電子の方法 |
記入するのは4つの控除欄
保険料控除申告書には、令和8年中に自分が支払った次の保険料や掛金のうち、該当するものを記入します。
- 生命保険料控除:一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料
- 地震保険料控除:地震保険料と、経過措置の対象となる旧長期損害保険料
- 社会保険料控除:国民年金、国民年金基金、国民健康保険など、給与からの天引き以外に自分で支払った社会保険料
- 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済、iDeCoなどの個人型確定拠出年金加入者掛金、対象となる企業型確定拠出年金加入者掛金など
記入前に用意するもの
申告書を書き始める前に、令和8年中の支払内容と証明書を集めます。
- 令和8年分給与所得者の保険料控除申告書、または勤務先の年末調整システム
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
- 国民年金保険料・国民年金基金掛金の控除証明書または領収証書
- 小規模企業共済・iDeCoなどの掛金払込証明書
- 給与天引き以外に支払った国民健康保険料、介護保険料などの支払額
- 保険の契約者、保険金等の受取人、保険期間、新旧区分を確認できる情報
- 家族分を支払った場合は、その家族の氏名と生計を一にしているかの確認
- 勤務先の社内期限と、紙・電子のどちらで提出するかの案内
保険料控除申告書を記入する手順
申告書上部の本人欄へ、氏名、フリガナ、住所または居所を記入します。給与の支払者の名称、所在地、法人番号など、勤務先が記載する欄は勤務先の案内に従ってください。
生命保険料控除証明書を見ながら、一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を分けて記入します。一般と個人年金は証明書の新制度・旧制度の区分を確認し、保険会社名、保険の種類、契約者、受取人、保険期間、その年に支払った保険料等を転記します。
地震保険料控除証明書を見ながら、保険会社名、保険の種類や目的、保険期間、契約者、家屋や家財を利用する人、その年に支払った金額を記入します。証明書の表示に従って「地震保険料」または「旧長期損害保険料」を選びます。
社会保険料欄には、給与から天引きされていない社会保険料を記入します。国民年金、国民年金基金、国民健康保険、任意継続健康保険などについて、保険の種類、支払先、保険料を負担する人の氏名、令和8年中に実際に支払った金額を確認します。
小規模企業共済等掛金控除欄には、小規模企業共済、企業型確定拠出年金の加入者掛金、iDeCoなどの個人型確定拠出年金加入者掛金、対象となる心身障害者扶養共済の掛金を種類別に記入します。給与から差し引かれた掛金は重ねて記入しません。
各欄の合計と控除額を申告書の計算式に沿って確認し、必要な証明書を添付または提示します。電子年末調整を使う場合は、勤務先が指定する証明書データの提出方法に従い、社内期限までに提出します。
控除額の基本的な見方
| 控除 | 基本的な控除額 |
|---|---|
| 生命保険料控除 | 一般、介護医療、個人年金を区分して計算します。通常の新契約は各区分最高4万円、3区分合計は最高12万円です。旧契約や新旧併用は別計算です |
| 23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除 | 新生命保険料について特例計算を行い、一般生命保険料控除は最高6万円です。生命保険料控除全体の最高12万円は変わりません |
| 地震保険料控除 | 地震保険料は最高5万円です。旧長期損害保険料は最高1万5,000円で、両方がある場合の合計上限は5万円です |
| 社会保険料控除 | 令和8年中に実際に支払った控除対象の社会保険料の全額です |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 令和8年中に実際に支払った控除対象の掛金の全額です |
証明書を添付するケース
| 申告する控除 | 証明書類 | 注意点 |
|---|---|---|
| 生命保険料控除 | 生命保険会社等が発行した証明書類 | 旧生命保険料は、剰余金等控除後の一契約の支払額が9,000円以下の場合を除きます。その他は金額にかかわらず確認します |
| 地震保険料控除 | 損害保険会社等が発行した証明書類 | 地震保険料と旧長期損害保険料の区分を証明書で確認します |
| 社会保険料控除 | 国民年金保険料と国民年金基金掛金は支払額を証する書類 | 国民年金保険料等以外の社会保険料は、国税庁の手続案内上、証明書の添付は不要です |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 支払先が発行した証明書類 | 掛金額の多少にかかわらず必要です |
| 電子提出 | 勤務先の仕組みに応じた証明書データ | 証明書の記載事項を電磁的方法で勤務先へ提供できる場合があります |
令和8年分で間違いやすいポイント
提出前に次の誤りがないか確認します。
- 給与から天引きされた健康保険料や厚生年金保険料を社会保険料欄へ重ねて記入する
- 控除証明書の「新制度・旧制度」や「地震保険料・旧長期損害保険料」の区分を自己判断で変える
- 生命保険料の年間予定額と、その年に実際に支払った証明額を取り違える
- 生命保険料の契約者だけを見て、保険金等の受取人や実際の支払者を確認しない
- 家族名義の国民年金保険料を記入するときに、生計関係と自分が実際に支払った事実を確認しない
- iDeCoの掛金を小規模企業共済等掛金控除欄ではなく社会保険料欄へ書く
- 23歳未満の扶養親族がいる場合の特例欄と計算式を見落とす
- 控除額がそのまま所得税の還付額になると思う
- 勤務先の社内期限を、法令上の提出期限と同じだと思って遅れる
11月30日以前に年末調整を行う場合の注意
国税庁は、令和8年11月30日以前に年末調整を行う場合、申告書裏面にある23歳未満の扶養親族の所得要件「62万円以下(給与だけの場合は収入136万円以下)」を、「58万円以下(給与だけの場合は収入123万円以下)」に読み替えるよう案内しています。書類を提出する日ではなく、勤務先が年末調整を行う日も確認してください。
提出前チェックリスト
勤務先へ提出する前の最終確認です。
- 令和8年分の申告書または勤務先の令和8年分電子画面を使っている
- 氏名と住所を確認した
- 生命保険料を一般・介護医療・個人年金に分けた
- 証明書の新制度・旧制度を確認した
- 23歳未満の扶養親族に関する特例の対象か確認した
- 地震保険料と旧長期損害保険料を分けた
- 給与天引き以外の社会保険料だけを記入した
- 国民年金保険料等の証明書を用意した
- iDeCoなどを小規模企業共済等掛金控除欄へ記入した
- 必要な証明書を添付または電子提出できる状態にした
- 勤務先の社内期限と提出方法を確認した
よくある質問
生命保険やiDeCoがない場合も提出しますか?
この申告書は年末調整で保険料控除を受ける人の手続きです。申告項目がない場合に空欄の書類を提出するか、提出不要とするかは勤務先の運用に従ってください。基礎控除申告書や扶養控除等申告書など、別の年末調整書類は必要になる場合があります。
配偶者名義の生命保険でも自分が控除を受けられますか?
自分が実際に保険料を支払い、保険金等の受取人に関する要件を満たす場合は対象となり得ます。契約者名だけで判断せず、控除証明書と契約内容を確認し、判断が難しい場合は勤務先または税務署へ確認してください。
子どもの国民年金保険料を親が払った場合は書けますか?
対象となり得ます。社会保険料欄へ、保険の種類、支払先、保険料を負担する人として子の氏名、実際に支払った金額を記入し、国民年金保険料の控除証明書等を添付または提示します。
申告書を税務署へ持っていく必要はありますか?
年末調整で控除を受ける場合は勤務先へ提出します。勤務先で年末調整を受けられなかった控除を確定申告で申告する場合は、確定申告書と必要な証明書類を税務署へ提出またはe-Taxで送信します。
次にすること
手元の控除証明書を「生命保険」「地震保険」「国民年金などの社会保険」「iDeCoなどの小規模企業共済等掛金」の4つに分けてください。証明書の区分と金額を令和8年分申告書へ転記し、勤務先の社内期限までに証明書と一緒に提出します。
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