労働保険概算保険料申告書は、保険関係が成立した日からその年度の3月31日までに支払う賃金の見込額を基に作成し、成立日の翌日から起算して50日以内に申告・納付します。

概算保険料申告書の手続き概要

新たに成立した継続事業の概算保険料申告について、最初に確認する項目を整理します。
確認項目内容
提出者新たに労働保険の保険関係が成立した継続事業の事業主
申告・納付期限保険関係成立日の翌日から起算して50日以内
計算対象期間保険関係成立日から同じ保険年度の3月31日まで
計算の基礎対象期間に支払う予定の賃金総額。申告書では1,000円未満を切り捨てて記入します。
基本計算賃金総額の見込額に、事業に適用される労災保険率・雇用保険率を乗じます。
提出方法e-Govによる電子申請、都道府県労働局・労働基準監督署・取扱金融機関での書面手続き
次回の精算翌年度の年度更新で、実際の賃金総額による確定保険料と精算します。
出典:厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き【第1編】適用事業所編【令和7年8月版】」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認

作成前にそろえる情報

申告書へ転記できるように、次の情報を先に整理します。

  • 保険関係成立届の事業主控に記載された14桁の労働保険番号
  • 保険関係が成立した年月日
  • 事業所の名称・所在地と法人番号。個人事業主は公式記入例の指定に従います。
  • 実際の事業内容または作業の種類
  • 成立日から3月31日までの労働者ごとの賃金支払見込額
  • 雇用保険の被保険者に該当する人の賃金支払見込額
  • 申告する年度に適用される労災保険率と雇用保険率
  • 一元適用事業か二元適用事業かの区分

概算保険料の計算方法

継続事業では、成立日から保険年度末までの賃金支払見込額を集計し、適用される保険料率を乗じます。労災保険は原則としてすべての労働者の賃金が基礎です。雇用保険分は、雇用保険の被保険者ではない人の賃金を除いて計算します。

申告書の主な項目と確認内容です。欄番号や印刷色は現行様式で再確認してください。
主な項目記入・確認する内容
労働保険番号保険関係成立届の事業主控に記載された番号を転記します。
法人番号法人は13桁の法人番号を記入します。個人事業主は公式記入例の指定に従います。
保険関係成立年月日保険関係成立届と同じ日付を記入します。
事業又は作業の種類保険料率を確認できるよう、実際の事業内容を具体的に記入します。
保険料算定基礎額の見込額成立日から3月31日までの賃金支払見込額を集計し、1,000円未満を切り捨てます。
保険料率申告年度の公式な労災保険率・雇用保険率を確認します。
概算保険料額算定基礎額に保険料率を乗じて計算し、申告書の端数処理に従います。
出典:厚生労働省「労働保険の適用・徴収」「労働保険年度更新に係るお知らせ」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認

概算保険料を申告・納付する手順

労働保険保険関係成立届の事業主控を確認し、労働保険番号、保険関係成立日、一元・二元適用の区分を確定します。

成立日から3月31日までに支払う予定の賃金を、労働者ごとに集計します。雇用保険の被保険者ではない人の賃金を区別できるようにします。

申告年度の労災保険率と雇用保険率を厚生労働省の現行案内で確認し、賃金見込額から概算保険料を計算します。

事業区分に合う概算保険料申告書へ、労働保険番号、成立年月日、事業内容、賃金見込額、保険料率、概算保険料額などを記入します。

e-Govまたは事業区分に応じた都道府県労働局・労働基準監督署・取扱金融機関で申告し、50日期限までに納付します。

申告書の事業主控、納付記録、賃金見込額の集計根拠を保管し、翌年度の年度更新で実際の賃金総額との差額を精算します。

一元適用事業と二元適用事業の提出先

書面で申告・納付する場合は、事業区分と申告書の印刷色を確認します。
事業区分申告書と提出先
一元適用事業黒色と赤色で印刷された申告書(納付書)を、都道府県労働局、管轄労働基準監督署または取扱金融機関へ提出・納付します。
二元適用事業の雇用保険分ふじ色と赤色で印刷された申告書(納付書)を、都道府県労働局または取扱金融機関へ提出・納付します。
二元適用事業の労災保険分黒色と赤色で印刷された申告書(納付書)を、都道府県労働局、管轄労働基準監督署または取扱金融機関へ提出・納付します。
e-Gov対象手続きを検索し、申請情報を入力して提出します。提出先、申請状況、返戻、電子公文書、電子納付情報を確認します。

e-Govで電子申請する場合

労働保険関係手続はe-Govから電子申請できます。利用するアカウントと認証方法を準備し、該当する概算保険料申告の手続きを検索します。GビズIDプライムまたは条件を満たすGビズIDメンバーを利用できる手続では、電子証明書を省略できる場合があります。提出後はマイページで審査状況と電子公文書を確認してください。

出典:厚生労働省「労働保険関係手続の電子申請について」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認

提出前のチェックリスト

計算と提出先の間違いを防ぐため、申告前に確認します。

  • 成立届の10日期限と概算保険料の50日期限を別々に管理した
  • 労働保険番号と保険関係成立年月日を成立届の事業主控から転記した
  • 成立日から3月31日までの賃金見込額を集計した
  • 労災保険分と雇用保険分で対象となる賃金を区別した
  • 申告年度の現行保険料率を使用した
  • 事業内容を具体的に記入し、適用する保険料率を確認した
  • 一元適用・二元適用に合う申告書と提出先を選んだ
  • 申告だけでなく納付も50日期限までに行う
  • 申告書控、納付記録、集計根拠を保管する

よくある質問

概算保険料申告書は年度更新の申告書と同じですか?

目的と時期が異なります。新たに保険関係が成立したときは、成立日から年度末までの見込額を50日以内に申告・納付します。翌年度以降は、前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を年度更新で申告・納付します。

申告書だけ50日以内に出し、保険料は後から払えますか?

原則として、概算保険料の申告と納付を同じ50日期限までに行います。延納を検討する場合は、事業区分、成立日、保険料額などで条件が異なるため、申告前に都道府県労働局または管轄労働基準監督署へ確認してください。

50日の期限を過ぎた場合はどうすればよいですか?

成立日、賃金見込額、成立届の控えを整理し、都道府県労働局または管轄労働基準監督署へ速やかに相談してください。未申告・未納のままにすると、保険料の認定決定、追徴金、延滞金などの対象になる場合があります。日付や賃金額を変えず、事実に基づいて手続きします。

公式情報と確認日

この記事は2026年7月28日時点の厚生労働省公式情報で確認しています。期限・提出先・様式例は公式掲載中の「雇用保険事務手続きの手引き【第1編】令和7年8月版」、電子申請は労働保険関係手続の電子申請案内、令和8年度の保険料率は年度更新案内に示された現行の確認先を使用しています。提出時は最新の申告書、保険料率、管轄、添付書類を再確認してください。

次にすること

まず、保険関係成立届の事業主控で労働保険番号と成立日を確認します。次に、3月31日までの賃金見込額を集計し、現行の保険料率と提出先を確定して、50日以内に申告・納付してください。

概算保険料申告の前提となる保険関係成立届を確認する労働保険の保険関係成立届|10日以内・提出先・手続きの流れ雇用保険の事業所設置手続きを確認する雇用保険適用事業所設置届の書き方|10日以内・必要書類・e-Gov雇用保険の対象者ごとの資格取得届を確認する雇用保険被保険者資格取得届の書き方|翌月10日・添付書類・e-Gov