労働者が労働災害等で死亡した、または仕事を休んだときは、事業者が労働者死傷病報告を所轄の労働基準監督署へ提出します。死亡・休業4日以上は遅滞なく、休業1〜3日は四半期ごとの期限までにまとめて報告します。

労働者死傷病報告の概要

死亡・休業日数によって、報告区分と期限が異なります。
確認項目内容
報告する人事業者
主な対象労働災害その他、就業中または事業場内・附属建設物内の負傷、窒息、急性中毒により労働者が死亡または休業した場合
死亡・休業4日以上労働者死傷病報告(死亡及び休業4日以上)を遅滞なく提出
休業1〜3日労働者死傷病報告(休業4日未満)を四半期ごとの期限までに提出
提出先所轄の労働基準監督署
提出方法2025年1月1日から電子申請が原則。電子申請が困難な場合は、当分の間、書面提出も可能
作成支援厚生労働省の帳票入力支援サービスから作成・電子申請が可能

厚生労働省のFAQと電子申請案内を2026年7月28日に確認しています。

どちらの報告を使うか

死亡の有無と休業・休業見込み日数を確認して報告区分を選びます。
被災後の状況選ぶ報告期限
死亡した死亡及び休業4日以上遅滞なく
休業または休業見込みが4日以上死亡及び休業4日以上遅滞なく
休業日数が1〜3日休業4日未満発生した四半期の翌月末
死亡せず、休業もない労働安全衛生規則第97条の労働者死傷病報告は通常不要ほかの報告・記録義務がないかは個別に確認

休業1〜3日の提出期限

休業4日未満の報告は、発生した期間ごとに取りまとめます。
災害の発生期間報告期限
1月1日〜3月31日4月30日まで
4月1日〜6月30日7月31日まで
7月1日〜9月30日10月31日まで
10月1日〜12月31日翌年1月31日まで

期限日が閉庁日になる場合の具体的な取扱いや、期限を過ぎた場合の提出方法は、所轄の労働基準監督署へ確認してください。期限を過ぎたことを理由に報告を放置せず、事実関係と発生日を整理して速やかに相談します。

報告前にそろえる情報

帳票入力支援サービスまたは書面様式へ入力するため、次の情報を確認します。

  • 労働保険番号。建設工事の請負人の労働者が被災した場合は、元方事業者の労働保険番号を確認する
  • 事業の種類、事業場の名称・所在地・電話番号、常時使用する労働者数
  • 建設工事の場合は工事名、構内下請の場合は親事業場名など該当情報
  • 被災労働者の氏名、生年月日、年齢、性別、職種、職種の経験期間
  • 発生日時、被災地の所在地、傷病名、傷病部位
  • 死亡日時、休業見込期間、または休業1〜3日の日数
  • 外国人労働者の場合は国籍・地域と在留資格
  • 災害発生状況と原因を説明する5項目
  • 発生時の状況を示す略図

電子申請の手順

死亡・休業4日以上か、休業1〜3日かを確認し、該当する報告を選びます。休業見込みが4日以上なら「死亡及び休業4日以上」です。

厚生労働省の帳票入力支援サービスを開き、電子申請を利用できるアカウントでログインします。電子申請はe-Govを介して行われます。

申請者・連絡先、労働保険番号、事業場情報、発生日時、被災労働者の情報を入力します。保存済みデータを再利用する場合は、今回の事業場・事故情報へ修正できているか確認します。

日本標準産業分類の事業種類、日本標準職業分類の職種、傷病名、傷病部位などを画面の選択肢から入力します。外国人労働者の場合は国籍・地域と在留資格も確認します。

災害発生状況と原因を5項目で具体的に記入し、略図を添付します。電子申請の略図はBMP・JPEG・PNGのいずれかで、15MB以下です。

所轄の労働基準監督署を選択し、入力内容を確認して申請します。審査完了後は、e-Govで控えの電子公文書を確認・保存します。

労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービスを開く厚生労働省の帳票入力支援サービスでは、労働者死傷病報告の作成、印刷、e-Govを介した電子申請ができます。

災害発生状況と原因の書き方

現行の報告では、災害発生状況と原因を次の5項目に分けて記入します。事実関係を関係者から確認し、場所、作業、設備・物質、危険な状態、結果を具体的に整理してください。

災害発生状況と原因の5項目です。

  1. どのような場所で発生したか
  2. どのような作業・行動をしていたか
  3. どのような機械、化学物質、物、環境が関係したか
  4. どのような不安全・有害な状態があったか
  5. どのような災害が起き、どの部位にどの傷病が生じたか

書面で報告する場合

パソコン端末を所持していないなど、電子申請が困難な事情がある場合は、当分の間、書面による報告も可能です。厚生労働省の電子申請案内から、死亡・休業4日以上用または休業4日未満用の現行様式をダウンロードし、印刷時の注意事項に従って所轄の労働基準監督署へ提出します。

派遣労働者・建設現場の注意点

提出者や労働保険番号、管轄を間違えやすいケースです。
ケース確認すること
派遣労働者が被災派遣先と派遣元の事業者が、それぞれ所轄の労働基準監督署へ労働者死傷病報告を提出します。
建設工事の請負人の労働者が被災報告する労働保険番号として元方事業者の労働保険番号を確認します。
事故現場が会社事務所と別の地域建設現場等では、事故現場所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。
提出代行や期限後の報告必要な添付書類や遅延理由書等を所轄署から求められる場合があります。事前に確認してください。

提出前チェックリスト

区分、期限、管轄、記載漏れを確認してから提出します。

  • 死亡・休業4日以上と休業1〜3日の区分を間違えていない
  • 4日以上の災害を四半期末まで保留していない
  • 休業1〜3日の発生期間と翌月末の期限を確認した
  • 被災した事業場・事故現場を所轄する労働基準監督署を確認した
  • 労働保険番号と事業場情報を確認した
  • 事業種類・職種・傷病名・傷病部位を現行の分類で入力した
  • 災害発生状況と原因を5項目で具体的に記載した
  • 略図を用意し、電子申請ではBMP・JPEG・PNG、15MB以下にした
  • 派遣労働者の場合は派遣先・派遣元双方の報告を確認した
  • 建設工事の請負人の労働者の場合は元方事業者の労働保険番号を確認した
  • 電子申請後の控え、または書面提出の控えを保存する担当を決めた

よくある質問

1日だけ休んだ場合も労働者死傷病報告が必要ですか?

はい。対象となる労働災害等で休業日数が1〜3日なら、「休業4日未満」の報告を発生した四半期の翌月末までに提出します。

休業日数がまだ確定していない場合はどうしますか?

現行の報告区分は「休業または休業見込み4日以上」を含みます。医療機関や本人の状況から4日以上の休業が見込まれる場合は、四半期報告を待たずに所轄の労働基準監督署へ確認し、遅滞なく報告してください。

電子申請ができない場合は報告できませんか?

書面でも報告できます。厚生労働省の現行様式を使用し、印刷・提出方法を所轄の労働基準監督署へ確認してください。改正前の様式第23号・第24号は使用しません。

派遣先だけが報告すればよいですか?

いいえ。厚生労働省の現行案内では、派遣先と派遣元の事業者が、それぞれ所轄の労働基準監督署へ労働者死傷病報告を提出します。連携して事故情報を共有し、双方の提出漏れを防いでください。

公式情報と確認日

この記事は、2026年7月28日時点の厚生労働省FAQ、電子申請案内、現行の電子申請方法資料を確認しています。報告時は、厚生労働省の現行ページ、帳票入力支援サービス、所轄の労働基準監督署の案内を確認してください。

次にすること

まず、死亡の有無、休業・休業見込み日数、事故発生日、被災場所を確認してください。次に、所轄の労働基準監督署と提出期限を確定し、労働保険番号、被災者情報、傷病情報、5項目の発生状況・原因、略図をそろえて電子申請を進めます。

職場の熱中症対策義務化を確認する高温環境で発生した熱中症については、発生後の報告だけでなく、事前の報告体制と重篤化防止手順も確認してください。労働保険の保険関係成立届を確認する初めて労働者を雇う事業では、労災保険・雇用保険の保険関係成立手続きも確認してください。