従業員や70歳以上被用者へ賞与を支給した事業主は、支払日から5日以内に被保険者賞与支払届を日本年金機構へ提出します。支給総額を通貨・現物に分け、合計額の1,000円未満を切り捨てて賞与額を記入します。
賞与支払届の手続き概要
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出者 | 被保険者または70歳以上被用者へ賞与を支給した事業主 |
| 提出期限 | 賞与支払日から5日以内 |
| 届書 | 健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届/厚生年金保険 70歳以上被用者賞与支払届 |
| 提出先 | 日本年金機構の事務センターまたは管轄の年金事務所 |
| 提出方法 | 電子申請、電子媒体(CD・DVD)、郵送、窓口持参 |
| 添付書類 | 原則なし。健康保険の標準賞与額累計申出に該当する場合は別の届書が必要 |
| 不支給の場合 | 登録済みの賞与支払予定月に誰にも支給しなかった場合は、賞与不支給報告書を提出 |
賞与支払届の対象になる支給
届出の対象となる賞与は、名称ではなく支給の性質と回数で判断します。賃金、給料、手当、賞与などの名称を問わず、労働の対償として年3回以下支給するものが対象です。
| 支給内容 | 主な取扱い |
|---|---|
| 労働の対償として年3回以下支給する賞与・手当 | 賞与支払届の対象 |
| 給与規程で年2回の支給が明確な手当 | 名称が手当でも賞与として扱う例があります |
| 年4回以上支給するもの | 標準報酬月額の対象となり、賞与支払届の対象外 |
| 結婚祝金など労働の対償とみなされないもの | 賞与支払届の対象外 |
| 金銭ではなく現物で支給するもの | 労働の対償であれば金銭換算して賞与支払額へ含めます |
届書を作成する前に用意する情報
賞与計算と届書の内容を照合できるよう、次の情報をそろえます。
- 事業所整理記号と事業所情報
- 賞与を支給した被保険者の整理番号、氏名、生年月日
- 賞与の実際の支払年月日
- 税引前の賞与総支給額
- 通貨で支給した金額と、現物を金銭換算した金額
- 同じ月に複数回賞与を支給したか
- 70歳以上被用者、二以上事業所勤務者など備考欄の該当区分
- 賞与支払予定月に支給がなかった被保険者、または全員不支給かどうか
日本年金機構から賞与支払予定月の前月に届出用紙が送られる場合がありますが、用紙に印字されていない対象者がいても届出対象から外れるわけではありません。空欄へ追記するか、公式ページから現行様式を取得します。
賞与支払届を提出する手順
賞与の支給内容を確認し、労働の対償として年3回以下支給する賞与に該当するか判定します。年4回以上の支給や慶弔金などは取扱いが異なります。
賞与を支給した被保険者と70歳以上被用者を確定します。届出用紙に氏名がない対象者も含め、資格取得日・資格喪失日と実際の支払日を照合します。
賞与支払年月日、通貨による税引前の支給額、現物を金銭換算した額を記入します。通貨または現物の支給がない欄にも0を記入します。
通貨と現物の合計額から1,000円未満を切り捨て、賞与額欄へ記入します。同じ月に複数回支給した場合は、最後の支給後に同月分を合算します。
賞与支払年月日、被保険者整理番号、70歳以上被用者などの備考欄、同月内の賞与合算を確認します。紙の届書が複数枚になる場合は、すべての用紙に共通の賞与支払年月日を記入します。
支払日から5日以内に、電子申請、電子媒体、郵送、窓口持参のいずれかで日本年金機構へ提出します。健康保険組合加入事業所は、組合側の手続きも確認してください。
提出後は返戻や決定通知を確認し、決定された標準賞与額を被保険者本人へ通知します。
賞与支払額と賞与額の書き方
| 欄 | 記入内容 | 例 |
|---|---|---|
| 賞与支払額・通貨 | 実際に金銭で支給した税引前の金額 | 450,000円を全額金銭で支給した場合は450,000円 |
| 賞与支払額・現物 | 現物で支給した分を所定の方法で金銭換算した額 | 現物支給がなければ0円 |
| 賞与額 | 通貨と現物の合計額から1,000円未満を切り捨てた額 | 487,500円なら487,000円 |
| 標準賞与額の上限 | 健康保険は年度累計573万円、厚生年金保険は1カ月150万円 | 同月に複数回支給した場合は合算して上限を適用 |
記入漏れ・返戻を防ぐ確認ポイント
日本年金機構が案内する主な不備と、提出前の確認方法です。
- 賞与支払年月日がない:紙の届書が複数枚でも、すべての共通欄へ記入します。
- 賞与支払額または賞与額がない:通貨・現物の両方を記入し、支給がない欄は0とします。
- 賞与額の端数処理が違う:通貨と現物の合計額から1,000円未満を切り捨てます。
- 印字された人に賞与を支給していない:紙の届書では該当者欄に斜線を引きます。
- 印字されていない対象者を省略する:空欄へ追記するか現行様式を追加します。
- 同月の追加支給を別々の額のままにする:同月内の賞与をすべて合算して届け出ます。
電子申請・郵送・窓口提出の違い
| 提出方法 | 主な使い方 | 確認点 |
|---|---|---|
| e-Govの直接入力 | 対象者が少なく、画面へ1件ずつ入力する | 電子証明書またはGビズIDなどの準備、入力例、申請状況を確認します。 |
| e-GovのCSVファイル添付 | 複数人をまとめて申請する | 届書作成プログラム等で作成した対応CSVデータを使用します。 |
| 届書作成プログラム・労務管理ソフト | 多数の被保険者を扱う | 最新版と対応届書、自動チェック、返戻データの確認方法を確認します。 |
| 電子媒体 | CD・DVDで提出する | 電子媒体届書総括票が必要です。廃止された被保険者賞与支払届総括表と混同しないでください。 |
| 郵送・窓口持参 | 紙の現行様式で提出する | 事務センターまたは管轄年金事務所、控えの管理、郵送日数を確認します。 |
同じ月に賞与を2回以上支給した場合
同じ月に2回以上賞与を支給する場合は、最後の賞与支給後、その月に支払った賞与額を合算して届け出ます。すでに同月分を提出した後に追加支給した場合も、同月に支給した賞与をすべて合算した内容で届出を確認してください。
賞与支払予定月に支給しなかった場合
日本年金機構へ登録した賞与支払予定月に、被保険者および70歳以上被用者の全員へ賞与を支給しなかった場合は、賞与支払届ではなく賞与不支給報告書を提出します。予定月の翌月までに届出がない場合は、翌々月に催告状が送付されると案内されています。
退職者・育児休業中・70歳以上被用者の注意点
| 状況 | 確認すること |
|---|---|
| 70歳以上被用者へ支給 | 被保険者と同一の届書を使用し、70歳以上被用者欄や個人番号・基礎年金番号を確認します。 |
| 資格取得月に支給 | 資格取得日以後に支給した賞与は保険料賦課の対象となります。 |
| 資格喪失月に支給 | 保険料賦課の対象外となる場合でも、賞与支払届が必要なケースがあります。健康保険の年度累計にも関係するため省略せず公式案内で確認します。 |
| 資格取得と資格喪失が同じ月 | 資格取得日から資格喪失日の前日までに支給した賞与は保険料賦課の対象です。 |
| 育児休業等による保険料免除期間に支給 | 保険料が免除される場合でも賞与支払届は必要で、決定された標準賞与額は健康保険の年度累計に含まれます。 |
健康保険の年度累計が573万円を超える場合
健康保険の標準賞与額は、4月1日から翌年3月31日までの年度累計で573万円が上限です。同一年度内に転職・転勤などで同じ保険者の被保険者期間が複数あり、累計が573万円を超える旨の申出が被保険者からあった場合は、事業主が健康保険 標準賞与額累計申出書を提出します。
出典:日本年金機構「5-2:年間の標準賞与額の累計額が573万円を超えたとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認提出前チェックリスト
賞与支払日から5日以内に正確な届出を行うための確認項目です。
- 支給が賞与支払届の対象となる年3回以下の労働の対償か確認した
- 賞与支払日から5日以内の提出日を決めた
- 被保険者と70歳以上被用者の対象者を確認した
- 通貨・現物を税引前の支給額で記入した
- 通貨または現物の支給がない欄へ0を記入した
- 合計額の1,000円未満を切り捨てて賞与額を記入した
- 同じ月の複数回支給を合算した
- 紙の届書が複数枚でも賞与支払年月日を全てに記入した
- 全員不支給の場合は賞与不支給報告書を用意した
- 資格喪失月、育児休業等、年度累計573万円超の特別な取扱いを確認した
- 提出後に標準賞与額の決定通知と被保険者本人への通知を行う準備をした
よくある質問
賞与支払届はいつまでに提出しますか?
被保険者または70歳以上被用者へ賞与を支給した事業主は、賞与支払日から5日以内に日本年金機構へ提出します。期限を過ぎた場合も放置せず、管轄年金事務所へ確認して速やかに届け出てください。
「決算手当」や「特別手当」も賞与支払届の対象ですか?
労働の対償として年3回以下支給する場合は、手当という名称でも賞与に当たる可能性があります。給与規程、支給回数、支給の性質を確認してください。
賞与支払額は手取り額を書きますか?
手取り額ではありません。実際に支給した税引前の総支給額を通貨・現物に分けて記入し、その合計額から1,000円未満を切り捨てて賞与額を記入します。
同じ月に賞与を2回支給した場合は別々に提出しますか?
同月分を合算して届け出ます。すでに1回目を提出した後に追加支給した場合も、その月の支給額をすべて合算した内容で届出を確認してください。
予定していた賞与を支給しなかった場合は何を提出しますか?
日本年金機構へ登録した賞与支払予定月に、被保険者と70歳以上被用者の全員へ支給しなかった場合は賞与不支給報告書を提出します。一部不支給の場合は賞与支払届で対象者を区別します。
賞与支払届に添付書類は必要ですか?
通常は不要です。健康保険の標準賞与額累計申出に該当する場合は、条件付きで別の届書を提出します。健康保険組合加入事業所は組合の案内も確認してください。
公式情報と確認日
日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「5-1:賞与を支給したとき、賞与支払予定月に賞与が不支給のとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「賞与支払届の届出不備や誤りの多い事例」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「電子申請(e-Gov)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認次にすること
賞与支払日が決まったら、支給対象者、税引前の通貨・現物の金額、同月内の支給回数を確定し、日本年金機構の現行様式または電子申請入力例を開いてください。支払日から5日以内に提出し、提出後は決定通知と被保険者への通知を確認します。
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