協会けんぽの被扶養者(異動)届は、家族を扶養に追加・削除し、氏名等を変更するとき、被保険者が勤務先へ申し出、事業主が事実発生から5日以内に日本年金機構へ提出します。該当・非該当・変更は別々の用紙で作成します。

被扶養者(異動)届の手続き概要

協会けんぽで家族の追加・削除・変更を届け出るときの基本事項を整理します。
確認項目内容
届書健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)
使う場面被扶養者の追加(該当)、削除(非該当)、氏名・生年月日・性別等の変更
申出者被保険者が勤務先へ申し出ます
提出者事業主が日本年金機構へ提出します
提出期限事実発生から5日以内
提出先事務センターまたは管轄の年金事務所
提出方法電子申請、郵送、窓口持参
配偶者の年金20歳以上60歳未満の被扶養配偶者は、原則として国民年金第3号被保険者関係届を同時に扱います
出典:日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」「ケース2-3 詳細説明」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認

この届書を使う3つの場面

届書の「該当」「非該当」「変更」のどれを選ぶかを、最初に決めます。

  • 該当:出生、婚姻、離職、収入減少、同居開始などにより家族を新たに被扶養者へ追加するとき
  • 非該当:就職・収入増加、離婚、死亡、75歳到達などにより被扶養者から外すとき
  • 変更:被扶養者の氏名、生年月日、性別など、届出済みの記録事項を変更・訂正するとき

書き始める前に確認すること

従業員から届書を受け取る前に、次の事実と資料を確認します。

  • 被保険者の資格取得日、被保険者整理番号、氏名、生年月日、マイナンバーまたは基礎年金番号
  • 家族が被扶養者になった日、被扶養者でなくなった日、または変更が生じた日
  • 追加・削除となった具体的な理由
  • 家族の続柄、同居・別居、住民票上の住所
  • 被保険者と家族の今後1年間の年間収入見込額
  • 失業給付、年金、傷病手当金など非課税収入の有無と受取額
  • 別居の場合の仕送り額、回数、送金記録
  • 配偶者が20歳以上60歳未満の場合の国民年金第3号被保険者該当の有無
  • 交付済みの資格確認書や各種認定証の有無

被扶養者(異動)届の必要書類

必要書類は続柄、収入、同居・別居、追加・削除の理由により異なります。
確認内容主な書類・省略条件
届書健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)の現行様式
続柄提出日前90日以内の戸籍謄(抄)本、または被保険者が世帯主で同一世帯の場合の住民票の写し。双方のマイナンバー記載と事業主の続柄確認により省略できる場合があります
退職により収入要件を満たす退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し
失業給付を受給中・受給終了雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知の写し
年金受給中現在の年金受取額が分かる年金額改定通知書等の写し
自営・不動産収入直近の確定申告書の写し
その他の収入状況に応じた収入書類と課税・非課税証明書
非課税収入障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金、失業給付等の受取金額が分かる通知書等の写し
別居振込明細書、通帳の写し、現金書留の控えなど。16歳未満または16歳以上の学生は原則不要
給与収入のみを労働契約で判定労働条件通知書・雇用契約書等と、給与収入のみである旨の申立て
非該当・変更交付されている資格確認書、高齢受給者証、特定疾病療養受療証、限度額適用認定証等。回収できない資格確認書は回収不能届を確認
出典:日本年金機構「被扶養者の手続き」「届出不備や誤りの多い事例」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認

手順1:提出者記入欄とA・被保険者欄を書く

事業所情報と被保険者情報は、次の順に確認して記入します。

  • 届書提出日、事業所整理記号、事業所所在地・名称、事業主氏名、電話番号を記入する
  • A欄へ被保険者整理番号、住民票と同じ氏名、生年月日、性別を記入する
  • マイナンバーまたは基礎年金番号を記入する。基礎年金番号を記入した場合は住所も記入する
  • 健康保険の資格取得日を記入する。資格取得届と同時提出なら同じ日付になる
  • 被保険者の今後1年間の年間収入見込額を記入する
  • 所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族であることを事業主が確認し、収入書類を省略する場合は事業主確認欄の「確認」を丸で囲む
  • 事業主が被保険者を通じて被扶養者から届書を受け取った日を、事業主等受付年月日へ記入する

手順2:B・配偶者である被扶養者欄を書く

配偶者を追加・削除・変更する場合の主な記入欄です。
記入欄確認する内容
届出区分該当、非該当、変更のいずれかを丸で囲む
氏名等届出日、住民票と同じ氏名・フリガナ、生年月日、続柄、マイナンバーまたは基礎年金番号
住所・電話同居・別居を選び、住民票上の住所と連絡先を記入する
該当の場合被扶養者になった日、配偶者の就職・婚姻・離職・収入減少等の理由、職業、今後1年間の年間収入見込額
非該当の場合被扶養者でなくなった日と、死亡・離婚・就職・収入増加・75歳到達等の理由
変更の場合変更後の情報を該当欄へ記入し、備考へ変更内容と理由を記入する
別居の場合備考へ1回当たりの仕送り額を記入し、必要な送金資料を添付する
続柄確認事業主が確認して添付を省略する場合は、備考の「続柄確認済み」へチェックする
資格確認書発行が必要な条件に当たる場合だけ「発行が必要」へチェックする

20歳以上60歳未満の被扶養配偶者は、原則として国民年金第3号被保険者になります。配偶者が届書提出を被保険者へ委任する場合は、様式の委任欄も確認します。第3号に該当しない配偶者の健康保険扶養だけを届ける場合は、備考欄に「扶養届のみ」「3号届なし」など、第3号関係届が不要である旨を記載します。

出典:日本年金機構「健康保険 被扶養者(異動)届」現行様式・該当・非該当記入例(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認

手順3:C・その他の被扶養者欄を書く

子、父母、兄弟姉妹など配偶者以外の家族は、C欄へ記入します。

  • 住民票と同じ氏名・フリガナ、生年月日、性別、続柄、マイナンバーを記入する
  • 同居・別居を選び、別居でも住民票上の住所を省略しない
  • 該当の場合は被扶養者になった日、職業、今後1年間の年間収入見込額、出生・離職・収入減少・同居等の理由を記入する
  • 非該当の場合は被扶養者でなくなった日と、死亡・就職・収入増加・75歳到達等の理由を記入する
  • 変更の場合は変更後の内容を該当欄へ記入し、備考へ変更内容と理由を記入する
  • 別居の場合は備考へ1回当たりの仕送り額を記入し、必要な送金資料を添付する
  • 続柄確認書類を事業主確認で省略する場合は、対象者ごとに「続柄確認済み」へチェックする

手順4:追加・削除・変更の日付と理由を確定する

届出区分ごとに、日付と理由の考え方を分けて確認します。
区分日付の例主な理由・記入点
該当被保険者の資格取得と同時なら資格取得日。婚姻なら婚姻日、出生なら出生日など、実際に扶養関係が生じた日配偶者の就職、出生、婚姻、離職、収入減少、同居などから実態に合う理由を選ぶ
非該当就職日、離婚日、収入要件を満たさなくなった日、75歳到達等で後期高齢者医療の被保険者になった日。死亡は死亡日の翌日就職・収入増加、離婚、死亡、75歳到達、障害認定などから選ぶ
変更氏名・生年月日・性別などの変更・訂正を届ける日変更後の内容を欄内へ記入し、備考へ変更内容と理由を記入する

手順5:事業主が確認して5日以内に提出する

日本年金機構の現行様式と、該当・非該当・変更の該当する記入例を公式ページから取得します。以前保存した様式を使う場合も、差し替えがないか確認してください。

被保険者から届書と添付書類を受け取り、事実発生日、今後1年間の収入、続柄、同居・別居、仕送り、マイナンバーの本人確認を行います。

事業主確認欄、続柄確認済みのチェック、被保険者・被扶養者の個人番号、年収、住所、日付、理由、資格確認書の回収状況を確認します。

事実発生から5日以内に、電子申請、郵送、または窓口持参で日本年金機構の事務センターまたは管轄年金事務所へ提出します。

電子申請の受付結果や郵送後の返戻を確認します。不備で返戻された場合は、理由を確認して補正し、速やかに再提出します。

出典:日本年金機構「事業所向けオンラインサービス」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認

返戻されやすい記入ミス

日本年金機構が公表している不備・誤りの多い項目を提出前に確認します。
不備になりやすい項目確認方法
続柄確認双方のマイナンバーを記入し、事業主が確認した場合は、対象者ごとに「続柄確認済み」へチェックする
事業主確認税法上の控除対象配偶者・扶養親族として収入書類を省略する場合は「確認」を丸で囲む
個人番号原則として被保険者・被扶養者のマイナンバーを記入する。記入できない場合は基礎年金番号と必要な住所を確認する
年間収入今後1年間の見込み額を記入し、収入がない場合も0円と記入する
住所同居・別居を選び、住民票上の住所を部屋番号まで記入する
仕送り別居の場合は仕送り額・回数を記入し、送金者名・受取人名・金額が分かる書類を添付する
異動理由被扶養者になった理由・でなくなった理由を取り違えない
フリガナ配偶者を含む氏名欄のフリガナを省略しない
収入資料源泉徴収票だけを添付せず、現在の収入状況に合う証明書を選ぶ
出典:日本年金機構「被扶養者(異動)届の届出不備や誤りの多い事例」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認

5日を過ぎた場合と60日以上さかのぼる場合

提出期限を過ぎても、届出が不要になるわけではありません。事実発生日と必要書類を確認し、事務センターまたは管轄年金事務所へ速やかに提出してください。被扶養者になった日が受付日より60日以上さかのぼる場合は、扶養の事実を確認できる追加書類が必要です。

協会けんぽ以外の健康保険に加入している場合

健康保険組合など協会けんぽ以外に加入している場合、健康保険の扶養手続きは勤務先と加入先保険者へ確認します。配偶者が国民年金第3号被保険者になる場合は、日本年金機構へ「国民年金第3号被保険者関係届」だけを提出する手続きがあります。協会けんぽ用の一体様式をそのまま使うと判断せず、加入先を確認してください。

提出前チェックリスト

返戻や資格情報の反映遅れを防ぐため、提出前に最終確認します。

  • 加入先が協会けんぽであることを確認した
  • 該当・非該当・変更を別々の用紙で作成した
  • 事実発生日と提出期限の5日以内を確認した
  • 事業所整理記号と被保険者整理番号を確認した
  • 被保険者と被扶養者のマイナンバーまたは基礎年金番号を確認した
  • 今後1年間の年間収入見込額を記入し、無収入は0円とした
  • 続柄確認と収入確認の添付書類または省略条件を確認した
  • 別居の場合は仕送り額・回数と送金資料を確認した
  • 非該当・変更の場合は交付済みの資格確認書等を回収した
  • 配偶者が20歳以上60歳未満の場合は国民年金第3号関係届を確認した
  • 電子申請・郵送・窓口の提出先と控えの管理方法を確認した

よくある質問

被扶養者(異動)届は従業員本人が年金事務所へ提出しますか?

協会けんぽでは、被保険者が勤務先へ届書と必要書類を提出し、事業主が日本年金機構の事務センターまたは管轄年金事務所へ届け出ます。社内の提出経路と期限を先に案内してください。

家族の追加と削除を1枚の用紙にまとめられますか?

日本年金機構の現行様式では、被扶養者の該当と非該当(変更)は同時に提出できません。追加用、削除用、変更用に用紙を分けて作成してください。

収入確認書類は全員分必要ですか?

所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族であることを事業主が確認し、事業主確認欄を記入した場合や、16歳未満の場合は原則として省略できることがあります。ただし、障害年金、遺族年金、失業給付などの非課税収入があれば受取額の資料が別に必要です。

被扶養者(異動)届は電子申請できますか?

電子申請できます。日本年金機構はe-Gov、無料の届書作成プログラム、対応する市販の労務管理ソフトを案内しています。添付書類のファイル形式、委任状、受付結果の確認方法も申請経路ごとに確認してください。

被扶養者へ資格確認書を必ず発行しますか?

必ずではありません。現行様式では、マイナンバーカードを持っていない、健康保険証利用登録をしていない、電子証明書が期限切れなど、資格確認書の発行が必要な条件に当たる場合に「発行が必要」へチェックします。最終的な交付状況は加入先へ確認してください。

公式情報と確認日

日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認日本年金機構「2-3:家族を被扶養者にするとき、家族を被扶養者から外すとき、被扶養者の届出事項に変更があったとき」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認日本年金機構「健康保険 被扶養者(異動)届」現行様式・記入例(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認日本年金機構「被扶養者(異動)届の届出不備や誤りの多い事例」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認日本年金機構「事業所向けオンラインサービス」(確認日:2026年7月28日)日本年金機構・2026-07-28確認

次にすること

まず、対象の家族について追加・削除・変更のどれか、事実発生日、今後1年間の収入、同居・別居、必要な添付書類を整理してください。次に、日本年金機構の現行様式と該当する記入例を取得し、事業主確認欄と続柄確認済みのチェックを含めて5日以内に提出します。

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