離職後に事業を始めた方は、一定要件を満たせば事業期間を失業手当の受給期間から最大3年間除外できます。申請期限は、事業開始・事業への専念・事業準備への専念の日の翌日から2か月以内です。
離職後に事業を始めた人の受給期間特例とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象となり得る人 | 離職後に事業を開始した方、事業に専念し始めた方、または事業の準備に専念し始めた方 |
| 制度の効果 | 事業を行っている期間等を、基本手当の受給期間に最大3年間算入しない |
| 申請期限 | 該当する日の翌日から2か月以内 |
| 申請先 | 住所または居所を管轄するハローワーク |
| 提出方法 | 窓口、郵送、代理人による提出 |
| 制度開始 | 2022年7月1日 |
基本手当の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。受給期間特例が認められると、一定の事業期間をこの期間に数えず、事業終了後に求職できる状態へ戻ったときの受給手続きに備えられます。
厚生労働省Q&A Q18・Q19で、2022年7月1日の制度開始、最大3年間、2か月以内の申請期限を確認しています。厚生労働省・2026-07-28確認特例の対象となる主な要件
ハローワークインターネットサービスが案内する主な要件です。すべての要件を自分だけで確定せず、管轄ハローワークへ確認してください。
- 事業を行う期間が30日以上であること
- 事業開始日、事業への専念日、または事業準備への専念日から30日を経過する日が、基本手当の受給期間の末日以前であること
- その事業について就業手当または再就職手当を受けていないこと
- 自立できないと認められる事業ではないこと
- 原則として離職日の翌日以後に開始した事業であること
離職前から副業や事業を始めていた場合でも、離職日の翌日以後にその事業へ専念し始めたときは対象となり得ます。いつを「専念し始めた日」または「準備に専念し始めた日」とするかは、活動内容と資料を基にハローワークへ確認します。
事業の実態を確認する資料
公式案内は、自立できる事業の確認例として、雇用保険の被保険者となる人を雇い入れて適用事業の事業主になる場合や、客観的資料で事業開始・事業内容・事業所の実在を確認できる場合を挙げています。
客観的資料として公式ページに挙げられている例です。実際に必要な資料は事業形態により異なります。
- 税務署へ提出した開業届の写し
- 法人の登記事項証明書
- 許認可が必要な事業の事業許可証
- そのほか事業開始日、事業内容、事業所の実在を確認できる資料
申請期限は該当日の翌日から2か月以内
期限の起点は、離職日や開業届の提出日とは限りません。事業を開始した日、事業に専念し始めた日、または事業の準備に専念し始めた日のうち、自分が該当する日の翌日から2か月以内に申請します。
就業手当または再就職手当を申請して不支給となった場合は、2か月を過ぎていても、その手当の支給申請日を受給期間特例の申請日として扱える場合があります。すでに手当を申請している方は、不支給通知や申請日が分かる資料を用意して相談してください。
受給期間特例を申請する手順
退職日、事業開始日、事業に専念し始めた日、事業準備に専念し始めた日を時系列で整理します。どの日が期限の起点になるか判断できない場合は、最も早い段階でハローワークへ相談します。
事業期間が30日以上になるか、事業開始等から30日を経過する日が基本手当の受給期間内にあるか、就業手当・再就職手当を受けていないかを確認します。
住所または居所を管轄するハローワークへ連絡し、受給期間特例申請書の入手方法、必要資料、提出期限、窓口・郵送・代理人の手続きを確認します。
開業届の写し、登記事項証明書、事業許可証など、自分の事業開始・内容・実在を確認できる資料をそろえます。案内された追加資料があれば準備します。
期限内に、管轄ハローワークへ窓口、郵送、または代理人で申請します。郵送では到着日の扱い、送付先、控えの保管方法を事前に確認してください。
ハローワークから交付・案内された決定内容と受給期間の末日を確認し、事業終了後の受給手続きで提示できるよう関係書類を保管します。
通常の受給期間延長との違い
| 手続き | 主な対象 | 主な期限・効果 |
|---|---|---|
| 事業開始等による受給期間特例 | 離職後に事業を開始、事業へ専念、または準備へ専念した方 | 該当日の翌日から2か月以内。事業期間等を最大3年間、受給期間に算入しない |
| 病気・妊娠・出産・育児等による受給期間延長 | 30日以上続けて職業に就けない方 | 働けない日数を受給期間に加える。申請時期と必要書類は別ルール |
| 定年退職後の休養による受給期間延長 | 定年等で退職し、しばらく求職申込みをしない方 | 離職日の翌日から2か月以内。加えられる期間は最大1年 |
再就職手当との関係
受給期間特例の要件には、対象事業について就業手当または再就職手当を受けていないことが含まれます。事業開始を再就職手当の対象として申請するか、将来の受給期間を確保する特例を申請するかは、受給手続きの状況と事業実態により確認が必要です。
再就職手当の条件を確認する再就職手当の受給条件と申請期限を確認し、受給期間特例との関係を管轄ハローワークへ相談します。事業を終えて再び求職する場合
事業を廃止・休止するなどして、積極的に就職する意思と、いつでも就職できる能力がある状態になったら、受給期間内に管轄ハローワークへ相談します。特例が認められていても、基本手当の受給や求職申込みが自動的に始まるわけではありません。
通常の受給手続きをまだしていない方と、受給資格決定後に事業を始めた方では、その後に必要な書類や手続きが異なる場合があります。事業を終えた日、受給期間の末日、特例の決定書類を確認してから来所してください。
失業手当の申請方法を確認する事業終了後に基本手当の受給手続きを始める場合は、初回申請の必要書類と流れを確認します。申請前チェックリスト
2か月の期限と確認資料の漏れを防ぐためのチェック項目です。
- 退職日を確認した
- 事業開始日・事業への専念日・準備への専念日を整理した
- 事業期間が30日以上になる見込みを確認した
- 基本手当の受給期間の末日を確認した
- 就業手当・再就職手当の申請または受給状況を確認した
- 開業届の写し、登記事項証明書、許可証など該当資料を整理した
- 管轄ハローワークへ申請書と必要資料を確認した
- 窓口・郵送・代理人の提出方法を確認した
- 該当日の翌日から2か月以内に提出できる日程を決めた
よくある質問
退職前から副業をしていた場合も申請できますか?
離職前から事業を始めていても、離職日の翌日以後にその事業へ専念し始めた場合は対象となり得ます。専念日と事業実態を確認できる資料を整理し、管轄ハローワークへ相談してください。
税務署の開業届があれば必ず認められますか?
必ずではありません。事業期間、開始時期、事業の実態、受給期間、就業手当・再就職手当との関係などをハローワークが確認します。開業届の写し以外の資料を求められる場合があります。
窓口へ行けない場合はどうしますか?
郵送または代理人による申請が可能です。送付先、到着日の扱い、代理人提出時の必要書類について、住所または居所を管轄するハローワークへ事前に確認してください。
2か月を過ぎたら申請できませんか?
原則は該当日の翌日から2か月以内です。ただし、就業手当または再就職手当を申請して不支給となった場合は、その支給申請日を特例の申請日として扱える場合があります。該当する方は申請先へ確認してください。
公式情報と確認日
厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省 ハローワークインターネットサービス・2026-07-28確認ハローワークインターネットサービス「ハローワーク等所在地情報」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省 ハローワークインターネットサービス・2026-07-28確認次にすること
退職日と、事業開始・事業への専念・準備への専念の日を整理してください。開業届の写しなど事業実態が分かる資料を手元に置き、2か月を過ぎる前に住所または居所を管轄するハローワークへ、申請書、必要資料、提出方法を確認します。
個人事業の開業届の提出方法を確認する税務署へ提出する個人事業の開業届は、雇用保険の受給期間特例とは別手続きです。