年末調整は勤務先が給与から源泉徴収した所得税の過不足を精算する手続き、確定申告は本人が1年間の所得と税額を計算して税務署へ申告する手続きです。多くの会社員は年末調整で完了しますが、申告が必要な所得や年末調整で扱わない控除がある場合は、年末調整後でも確定申告を行います。

年末調整と確定申告の違い

誰が行うか、対象範囲、時期、税金の精算方法を比較します。
比較項目年末調整確定申告
手続きを行う人勤務先などの給与支払者納税者本人。税理士へ依頼する場合を含みます。
主な対象勤務先から受ける給与と、勤務先へ提出した年末調整申告書・控除証明書で扱える項目1年間の各種所得、源泉徴収税額、予定納税額、所得控除、税額控除など
時期通常はその年最後の給与を支払う時期原則として対象年の翌年2月16日から3月15日まで。還付申告だけなら翌年1月1日から提出できる場合があります。
提出先必要書類を勤務先へ提出します。勤務先が税額を精算します。e-Taxまたは所轄税務署へ確定申告書を提出します。
精算結果源泉徴収額が年税額より多ければ還付、少なければ追加徴収されます。源泉徴収税額等を含めて再計算し、還付または納付になります。

出典:国税庁「No.2662 年末調整のしかた」「No.2020 確定申告」(確認日:2026年7月28日)

年末調整だけで所得税の手続きが終わる人

一般的には、主たる勤務先へ給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出し、年末まで勤務していて、ほかに確定申告をする理由がない給与所得者は、勤務先の年末調整で所得税の精算が完了します。

年末調整だけで完了するかを確認する基本項目です。

  • 主たる勤務先へ扶養控除等(異動)申告書を提出している
  • 年末調整の対象となる時点まで勤務している
  • 給与総額が年末調整の対象外となる基準を超えていない
  • 副業、複数給与、事業所得など別の申告要因がない
  • 医療費控除など確定申告で受ける控除を予定していない

出典:国税庁「No.2662 年末調整のしかた」(確認日:2026年7月28日)

会社員でも確定申告が必要になる主なケース

申告義務の代表例です。金額の判定には前提条件や例外があるため、国税庁の申告年分の案内で確認します。
状況確認すること
給与の年間収入金額が2,000万円を超える年末調整の対象外となり、確定申告が必要です。
給与を1か所から受け、給与以外の所得金額が20万円を超える給与の全部が源泉徴収の対象であるなどの前提を確認し、確定申告を行います。
給与を2か所以上から受けている年末調整されなかった給与収入と給与・退職所得以外の所得金額を基に、国税庁の条件で申告要否を判定します。
同族会社の役員が会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている金額にかかわらず申告が必要となる場合があるため、国税庁の対象条件を確認します。
源泉徴収義務のない支払者から給与を受けている確定申告が必要となる代表ケースです。

出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(確認日:2026年7月28日)

確定申告をすると還付を受けられることがあるケース

確定申告の義務がない会社員でも、年末調整で反映されていない控除などを申告し、源泉徴収された所得税が年間の税額より多ければ還付を受けられます。控除額がそのまま振り込まれるわけではなく、所得と税額を再計算した結果で還付額が決まります。

国税庁が還付申告の代表例として案内しているケースです。

  • 年の途中で退職し、年末調整を受けていない
  • 医療費控除を受ける
  • 寄附金控除を受ける
  • 住宅ローン控除など住宅に関する一定の控除を申告する
  • 災害や盗難による損失について雑損控除を受ける

出典:国税庁「No.2030 還付申告」(確認日:2026年7月28日)

年末調整後に確定申告をする流れ

勤務先から給与所得の源泉徴収票を受け取り、支払金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額を確認します。

副業、複数給与、医療費、寄附、住宅関係など、確定申告をする理由と必要資料を整理します。

確定申告書へ源泉徴収票の内容、ほかの所得、控除、源泉徴収税額等を入力し、年末調整後の税額を含めて再計算します。

e-Taxで送信するか、作成した申告書を所轄税務署へ提出します。申告書の控え、送信結果、計算に使った資料を保存します。

よくある質問

年末調整と確定申告の両方をしてもよいですか?

はい。確定申告では年末調整済みの源泉徴収票を使い、ほかの所得や年末調整で扱わなかった控除を追加して年間税額を再計算します。

会社に年末調整の書類を出せば、すべての控除が反映されますか?

すべてではありません。医療費控除や寄附金控除、住宅に関する一定の控除などは、確定申告が必要になる場合があります。

年の途中で退職したら必ず確定申告が必要ですか?

年末調整を受けたか、ほかの所得があるか、受けたい控除があるかで異なります。年末調整を受けず、所得税を納め過ぎている場合は、翌年から還付申告ができます。

年末調整や確定申告をすると必ず税金が戻りますか?

必ずではありません。源泉徴収額が年間税額より多ければ還付、少なければ追加徴収または納付になります。

公式情報と確認日

この記事は2026年7月28日時点で、国税庁の年末調整、確定申告、給与所得者の申告要件、還付申告に関する公式情報を確認しています。申告する年分の税制、様式、控除額、期限は変更される場合があるため、勤務先の案内と国税庁の対象年分の情報を確認してください。

次にすること

自分の手続きへ進むための確認順です。

  • 勤務先から源泉徴収票を受け取った
  • 年末調整の対象になっているか確認した
  • 副業・複数給与など申告義務につながる所得を整理した
  • 医療費・寄附・住宅関係など申告したい控除を整理した
  • 確定申告が必要または有利な場合は対象年分の国税庁案内で期限と必要資料を確認した
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