確定申告の法定申告期限後に、納める税金が少な過ぎた・還付が多過ぎた場合は修正申告、納める税金が多過ぎた・還付が少な過ぎた場合は更正の請求を行います。期限前なら正しい確定申告書を再提出します。
確定申告の間違いを直す手続き早見表
| 状況 | 使う手続き | 期限・対応 |
|---|---|---|
| 法定申告期限前に間違いへ気付いた | 正しい確定申告書を再提出 | 法定申告期限までに提出します。原則として期限内に最後に提出した申告書が取り扱われます。 |
| 法定申告期限後で、納めた税金が多過ぎた・還付が少な過ぎた | 更正の請求 | 原則として法定申告期限から5年以内に更正の請求書を提出します。税務署が内容を審査し、認められた場合に減額更正・還付が行われます。 |
| 法定申告期限後で、納める税金が少な過ぎた・還付が多過ぎた | 修正申告 | 誤りに気付いたらできるだけ早く修正申告します。追加税額は修正申告書の提出日に納付します。 |
| 所得・控除は変わるが、最終的な税額や純損失に異動がない | 更正の請求の対象外 | 訂正の目的と必要な対応を所轄税務署へ確認します。 |
出典:国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」および同Q&A(確認日:2026年7月28日)
修正申告と更正の請求の違い
| 比較項目 | 修正申告 | 更正の請求 |
|---|---|---|
| 使う場面 | 本来より税額を少なく申告した、または還付金を多く申告した場合 | 本来より税額を多く申告した、または還付金を少なく申告した場合 |
| 提出時期 | 誤りを把握したらできるだけ早く提出 | 原則として法定申告期限から5年以内。申告義務のない方が還付申告をした場合は、その提出日から5年以内 |
| 提出後 | 修正申告により追加税額が確定し、提出日が納期限になります | 税務署が請求内容を審査し、適正と認めた場合に減額更正と還付等が行われます |
| 追加の税負担 | 追加税額に加えて延滞税が必要です。税務調査の事前通知や調査の時期により過少申告加算税がかかる場合があります | 請求を提出しただけで自動的に還付されるわけではありません |
| 主な資料 | 訂正後の所得・控除・税額を計算できる帳簿、証明書、明細書など | 請求理由の基礎となる事実を証明する書類と、計算に使用した明細書など |
出典:国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」(確認日:2026年7月28日)
確定申告の訂正手続きを進める手順
提出した年分の法定申告期限と、最初の申告書を提出した日を確認します。期限前なら正しい確定申告書の再提出、期限後なら修正申告または更正の請求を検討します。
提出済みの申告書と正しい計算を比較し、納付税額・還付金・純損失の金額がどの方向に変わるかを確認します。税額が増えるなら修正申告、税額が減るなら更正の請求が基本です。
提出済みの申告書控え、源泉徴収票、帳簿、控除証明書、明細書など、訂正の根拠となる資料をそろえます。更正の請求では、請求理由の基礎となる事実を証明する書類を準備します。
国税庁の更正の請求書・修正申告書作成コーナーで金額等を入力し、e-Taxで提出するか、印刷して納税地を所轄する税務署へ郵送・持参します。申告内容によって作成コーナーを利用できない場合は、該当年分の国税庁案内を確認します。
修正申告で追加税額がある場合は、修正申告書を提出する日に本税を納付し、延滞税も確認します。更正の請求では、税務署からの照会に対応できるよう、申告書控えと証明資料を保管します。
更正の請求で準備する書類
更正の請求書だけでなく、請求理由を確認できる資料が必要です。必要書類は、所得・控除・取引内容など、訂正する理由によって異なります。
| 訂正理由の例 | 確認する資料の例 |
|---|---|
| 事業所得の必要経費を計上し忘れた | 青色申告決算書または収支内訳書、該当部分の帳簿、領収書の写しなど |
| 国民年金保険料の控除を記載し忘れた | 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書など、支払額を証明する書類 |
| 各種控除・税額控除の入力漏れ | 対象年分の要件を満たすことと金額を確認できる証明書・明細書 |
| 申告書の転記・計算誤り | 提出済み申告書、訂正後の計算根拠、使用した付表・明細書 |
出典:国税庁「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」(確認日:2026年7月28日)
よくある間違い
訂正手続きで特に避けたい判断です。
- 申告期限前なのに、すぐ修正申告または更正の請求を選ぶ
- 納付税額ではなく、所得や控除の増減だけで手続きを決める
- 更正の請求を出せば必ず還付されると考える
- 修正申告の追加税額を次の通常の納付期限まで待つ
- 修正申告後の延滞税を確認しない
- 控除証明書や帳簿など、訂正理由を裏付ける資料を用意しない
- 還付申告の5年と更正の請求の5年を同じ起算日だと考える
よくある質問
確定申告後に医療費控除の入力漏れへ気付いたらどうしますか?
原則として更正の請求を検討します。請求理由を証明する資料と医療費控除の明細書などをそろえ、法定申告期限から5年以内かを確認してください。訂正しても最終税額に異動がない場合は、更正の請求はできません。
売上の計上漏れが見つかった場合は更正の請求ですか?
訂正後に納める税金が増える場合は修正申告です。追加税額は修正申告書の提出日に納付し、延滞税も確認してください。
更正の請求の5年はいつから数えますか?
原則は法定申告期限から数えます。ただし、申告義務のない方が還付申告を提出している場合や、後発的理由がある場合などは起算日・期限が異なるため、国税庁の手続案内で確認してください。
最初の申告と同じ方法で訂正する必要がありますか?
必ずしも同じ方法に限定されません。国税庁の作成コーナーからe-Taxで提出するか、作成した書面を所轄税務署へ郵送・持参できます。対象年分と申告内容に対応する作成方法を確認してください。
公式情報と確認日
この記事は2026年7月28日時点で、国税庁の「確定申告を間違えたとき」、法定申告期限前のQ&A、所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続を確認して作成しています。税目、申告年分、後発的理由、調査状況によって取扱いが変わる場合は、所轄税務署へ確認してください。
次にすること
提出済み申告の訂正を始める前に確認します。
- 申告した年分と法定申告期限を確認した
- 提出済みの申告書・明細書・送信結果を用意した
- 正しい所得・控除・税額を再計算した
- 納付税額・還付金が増えるか減るかを確認した
- 修正申告・更正の請求・期限前の再提出のどれに当たるか判断した
- 訂正理由を裏付ける帳簿・証明書・明細書をそろえた
- 修正申告で追加納税がある場合は提出日と納付方法を決めた
- 判断できない個別事情は提出前に所轄税務署へ確認する