教育訓練休暇給付金は、雇用保険の一般被保険者が、会社の制度を使って30日以上連続する無給の教育訓練休暇を自発的に取得したとき、基本手当に相当する給付を受けられる制度です。2025年10月1日に始まりました。

教育訓練休暇給付金の対象者

対象となるのは、在職中の雇用保険の一般被保険者です。高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は対象外です。主な条件は次のとおりです。

すべてを満たす必要があります。最終的な受給資格は、住所または居所を管轄するハローワークが確認します。

  • 休暇開始前2年間に、原則として被保険者期間が12か月以上ある
  • 休暇開始前の雇用保険の算定基礎期間が通算5年以上ある
  • 就業規則、就業規則に準ずる社内規程、労働協約などに利用できる休暇制度が定められている
  • 業務命令ではなく、本人が教育訓練を受けるため自発的に休暇を希望している
  • 事業主の承認を得て、1回につき30日以上連続する無給の休暇を取得する
  • 対象となる職業に関する教育訓練を受ける

過去の勤務先で雇用保険に加入していた期間は、離職期間や過去の基本手当の受給などによって通算できる範囲が変わります。5年以上あるか判断しにくい場合は、休暇開始前にハローワークで確認してください。

出典:厚生労働省「教育訓練休暇給付金」「教育訓練休暇給付金のご案内」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認

給付日数は雇用保険の加入期間で決まる

休暇開始日の前日までの雇用保険の算定基礎期間に応じて、所定給付日数が決まります。
雇用保険の算定基礎期間所定給付日数
5年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

給付日額は、原則として休暇開始前の直近6か月の賃金を基に計算する賃金日額と、休暇開始日の前日の年齢により決まります。計算方法は基本手当と同様ですが、実際の日額はハローワークが受給資格決定時に通知します。

対象になる教育訓練と休暇

原則として、次の教育訓練を受けるための休暇が対象です。

  • 学校教育法に基づく大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校、各種学校が提供する教育訓練
  • 教育訓練給付金の指定講座を持つ法人などが提供する教育訓練
  • 職業に関する教育訓練としてハローワークが制度の趣旨に合うと確認したもの。公式資料では司法修習、語学留学、海外大学院での修士号取得などが例示されています

休暇は1回につき30日以上連続し、無給であることが必要です。受給期間と残日数の範囲内なら複数回に分けて取得できますが、各回について事業主の承認と対象休暇の条件を満たす必要があります。

教育訓練給付金との違い

名称が似ていますが、支援する費用と利用条件が異なります。
制度主に支援するもの主な前提
教育訓練休暇給付金30日以上の無給休暇中の生活費在職中の一般被保険者が、会社の制度に基づき事業主の承認を得て休暇を取得する
教育訓練給付金厚生労働大臣指定講座の受講費用の一部指定講座を受講・修了し、種類ごとの雇用保険要件と申請要件を満たす

教育訓練休暇中に教育訓練給付金の指定講座を受講し、両制度の要件をそれぞれ満たす場合は、受講費用に対する教育訓練給付金と、休暇中の生活費に対する教育訓練休暇給付金を併せて利用できます。

申請の流れ

勤務先の就業規則や社内規程を確認し、教育訓練の内容、実施機関、受講期間、希望する休暇期間を人事・労務担当者へ相談します。制度がない場合や事業主の承認を得られない場合は、給付金を利用できません。

教育訓練休暇取得確認票に、休暇期間、教育訓練の目標・内容、実施方法などを記入し、事業主の承認・証明を受けます。受給要件や訓練の対象性は、休暇開始前にハローワークへ確認できます。

休暇開始後、事業主が「雇用保険被保険者教育訓練休暇開始時賃金月額証明書」と添付書類を、休暇開始日の翌日から起算して10日以内に事業所所在地を管轄するハローワークへ提出します。

ハローワークから事業主へ賃金月額証明票(本人手続用)と支給申請書が交付され、事業主から労働者へ渡されます。

労働者は支給申請書、賃金月額証明票、教育訓練休暇取得確認票、本人確認書類、口座確認書類をそろえ、住所または居所を管轄するハローワークへ速やかに提出します。来所のほか、郵送や電子申請も利用できます。

受給資格決定後は、休暇開始日から30日ごとに指定される認定日に、教育訓練休暇取得認定申告書と受講証明書などを提出します。認定された日数について給付金が支給されます。

出典:厚生労働省「業務取扱要領 56701-57000 雇用保険給付関係(教育訓練休暇給付金)」令和8年4月版(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認

必要書類

手続きの段階ごとに、本人と事業主が準備する主な書類を整理します。個別事情により追加書類を求められる場合があります。
段階主な書類
事業主が休暇開始後に提出賃金月額証明書、休暇制度を確認できる就業規則等の写し、賃金台帳、出勤簿・タイムカード・休暇簿等
労働者の受給資格申請支給申請書、賃金月額証明票(本人手続用)、教育訓練休暇取得確認票、本人・住居所確認書類、本人名義の口座確認書類
30日ごとの認定教育訓練休暇取得認定申告書、受給資格決定通知、受講証明書・領収書等、本人確認書類

受給前に確認したい注意点

申請や認定で特に注意したい点です。

  • 事業主側の賃金月額証明書は、休暇開始日の翌日から起算して10日以内に提出します。
  • 本人の受給資格申請は、事業主から書類を受け取り次第、速やかに行います。
  • 手続きが遅れて初回認定日から7日以内に認定申告書を提出できないと、その認定対象期間は遡って支給されません。
  • 認定日は30日ごとに指定されます。やむを得ない理由で遅れる場合でも、原則として認定日から7日以内の提出が必要です。
  • 休暇期間や教育訓練の内容を変更する場合は、改めて事業主の承認を受け、ハローワークへ届け出ます。
  • 受給期間と所定給付日数は別に管理されるため、1年を超える訓練では残日数があっても支給されない期間が生じる場合があります。

よくある質問

会社の許可なしで申請できますか?

できません。就業規則や労働協約等に基づく休暇で、本人の申出に対して事業主が承認していることが必要です。勤務先に制度がない場合は、講座を受講しても教育訓練休暇給付金の対象にはなりません。

30日ちょうどの休暇でも対象ですか?

対象になり得ます。1回の休暇が30日以上連続し、無給であること、対象となる教育訓練を受けること、事業主の承認を得ていることなど、すべての条件を満たす必要があります。

オンラインで申請できますか?

現行の業務取扱要領では、本人の支給申請や認定申告について郵送・電子申請が可能とされています。事業主から交付される書類や添付書類が必要なため、具体的な申請方法は管轄ハローワークの案内を確認してください。

教育訓練給付金と一緒に受けられますか?

受けられる場合があります。教育訓練給付金の指定講座を受講し、受講費用・雇用保険・申請期限などの要件を満たす場合は、教育訓練給付金も別途申請できます。

公式情報と確認日

この記事は2026年7月28日時点で、厚生労働省の制度ページ、パンフレット、令和8年4月版の業務取扱要領、制度創設資料を確認しています。休暇制度の有無、個人の加入期間、対象訓練、認定日は勤務先と管轄ハローワークへ確認してください。

厚生労働省「教育訓練休暇給付金」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認厚生労働省「教育訓練休暇給付金のご案内」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認厚生労働省「職業安定分科会雇用保険部会(第203回)資料3 教育訓練休暇給付金について」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認

次にすること

受講候補と希望休暇期間を整理したら、まず勤務先の人事・労務担当者へ、対象となる休暇制度があるか確認してください。制度が利用できる場合は、休暇開始前に住所または居所を管轄するハローワークへ、雇用保険の加入期間と教育訓練の対象性を確認すると安全です。

受講費用を支援する教育訓練給付金を確認する教育訓練給付金とは?3種類の違い・支給額・申請期限受給後に影響する失業手当の条件を確認する失業手当をもらえる条件|雇用保険12か月・6か月と対象外になる人