同じ事業主の別事業所へ雇用保険の被保険者が転勤したら、事業主は「雇用保険被保険者転勤届」を、転勤日の翌日から起算して10日以内に、転勤後の事業所を管轄するハローワークへ提出します。e-Govによる電子申請も可能です。

雇用保険被保険者転勤届の手続き概要

転勤届の提出者、期限、提出先、主な必要書類を整理します。
確認項目内容
提出者事業主
対象同一事業主の一つの適用事業所から、別の適用事業所へ被保険者の勤務場所が変わる場合
提出期限転勤の事実があった日の翌日から起算して10日以内
提出先転勤後の事業所所在地を管轄するハローワーク
提出方法e-Govによる電子申請、ハローワーク窓口、やむを得ない場合の郵送
主な書類雇用保険被保険者転勤届、個人番号登録・変更届、転勤前事業所に交付済みの資格喪失届など
提出後資格取得等確認通知書、被保険者証、次回手続きに使う資格喪失届などが交付されます
出典:厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き【第2編】」46ページ、49ページ(確認日:2026年7月28日)厚生労働省・2026-07-28確認

転勤届が必要なケース・不要なケース

勤務場所の変更がすべて雇用保険上の転勤になるわけではありません。
ケース基本的な扱い確認点
同じ会社の本社から支店へ恒常的に異動転勤届の対象転勤前後の事業所がそれぞれ雇用保険の適用事業所であることを確認します。
同じ会社の支店間で恒常的に異動転勤届の対象転勤後事業所を管轄するハローワークへ提出します。
出張転勤届の対象外勤務の本拠が変わらない一時的な業務移動は転勤ではありません。
一時的な駐在転勤届の対象外恒常的な所属変更か、一時的な勤務かを辞令・人事記録で確認します。
別法人へ移籍出向転勤届だけでは処理しない出向元との雇用関係が終了するため、資格喪失届と出向先での資格取得届を確認します。
在籍出向賃金負担と主たる雇用関係で判断出向元・出向先のどちらで雇用保険の被保険者となるかを管轄ハローワークへ確認します。

提出前に準備する書類と情報

転勤届を作成する前に次の書類・情報をそろえます。

  • 雇用保険被保険者転勤届
  • 転勤日が分かる辞令・人事記録
  • 被保険者番号
  • 被保険者の氏名・フリガナ、生年月日
  • 転勤後の事業所番号
  • 転勤前の事業所番号、事業所名称、所在地
  • 転勤前事業所に交付済みの雇用保険被保険者資格喪失届
  • 既交付の雇用保険被保険者証
  • 個人番号登録・変更届
  • 氏名変更がある場合の変更後氏名

厚生労働省の手引きは、転勤届と併せて「個人番号登録・変更届」を提出するよう案内しています。紙の申請書作成ページは、既交付の雇用保険被保険者証と雇用保険被保険者資格喪失届を添付するよう案内しています。手元にない場合は、提出前に転勤前事業所の担当者と転勤後事業所を管轄するハローワークへ確認してください。

転勤届の主な欄の書き方

ハローワークインターネットサービスの公式注意事項に沿って、主な入力項目を整理します。
記入内容注意点
被保険者番号雇用保険被保険者証または受給資格者証に記載された番号先頭の0を省略せず、公式様式の区切りに合わせます。旧式の16桁表示は下段10桁を使用する案内があります。
被保険者氏名・フリガナ現在の氏名と半角カタカナのフリガナ姓と名の間にスペースを入れます。氏名変更がある場合は変更後氏名の欄も記入します。
ローマ字氏名在留カードに記載された順の氏名外国人被保険者の該当欄は在留カードと照合します。
転勤年月日実際に転勤した日辞令発令日と勤務開始日が異なる場合は、転勤の事実が生じた日を人事記録で確認します。
転勤後事業所番号転勤日に所属する届出事業所の番号転勤後事業所の資格取得等確認通知書や事業所台帳で確認します。
転勤前事業所番号異動前に所属していた事業所の番号転勤前の資格喪失届などと一致させます。
転勤前事業所名称・所在地転勤前の正式な名称と所在地略称ではなく、雇用保険の登録内容に合わせます。
事業主欄法人の主たる事務所所在地、法人名、代表者氏名届出を行う事業主の正式情報を記入します。
出典:厚生労働省ハローワークインターネットサービス「雇用保険被保険者転勤届(申請書作成・利用上の注意)」(確認日:2026年7月28日)厚生労働省 ハローワークインターネットサービス・2026-07-28確認

雇用保険被保険者転勤届を提出する手順

辞令と人事記録を確認し、恒常的な事業所間異動であること、同一事業主内の転勤であること、転勤日を確定します。出張、一時的な駐在、別法人への出向に該当する場合は、転勤届だけで処理しないでください。

転勤前後の事業所番号を確認します。事業所名称だけではなく、雇用保険上どの適用事業所へ所属が変わるのかを確認してください。

被保険者番号、氏名、生年月日、転勤年月日、転勤前後の事業所情報を使って転勤届を作成します。氏名変更がある場合は、同じ届書の氏名変更欄も記入します。

転勤前事業所に交付済みの資格喪失届、既交付の被保険者証、個人番号登録・変更届など、提出方法に応じた必要書類をそろえます。

転勤日の翌日から起算して10日以内に、e-Gov、転勤後事業所を管轄するハローワーク窓口、またはやむを得ない場合の郵送で提出します。

処理後に交付された資格取得等確認通知書と被保険者証の本人用部分を従業員へ渡し、被保険者番号、氏名、転勤後事業所、転勤年月日を確認してもらいます。次回手続き用の資格喪失届は事業所で適切に保管します。

e-Gov・窓口・郵送の違い

提出方法ごとの特徴と注意点です。
提出方法特徴注意点
e-Govオフィス等から電子申請でき、審査状況や電子公文書を確認できます。電子証明書またはGビズIDなどを準備し、転勤後事業所を管轄するハローワークを提出先に指定します。
ハローワーク窓口紙の転勤届と添付書類を直接提出します。雇用保険適用窓口の来所受付は16時までと案内されています。現行様式、管轄、受付時間を事前に確認します。
郵送やむを得ず窓口へ持参できない場合に利用します。個人情報を含むため郵送は推奨されていません。利用する場合は記録付郵便と返信用封筒を用意し、期限に間に合う日程で発送します。

申請書作成サービスとe-Govを混同しない

ハローワークインターネットサービスの申請書作成ページは、入力した内容から紙の申請書を作成・印刷するサービスです。画面で入力して印刷しただけでは提出は完了しません。紙で提出する場合は、A4白色用紙へ等倍で印刷し、転勤後事業所を管轄するハローワークへ提出します。オンラインで完結させる場合はe-Govの電子申請を利用してください。

提出前のチェックリスト

期限遅れや返戻を防ぐため、提出前に確認します。

  • 同一事業主の事業所間転勤であり、出張や一時的駐在ではない
  • 転勤前後の事業所番号を確認した
  • 転勤年月日が辞令・人事記録と一致している
  • 被保険者番号の先頭の0を省略していない
  • 転勤前事業所の名称・所在地が登録内容と一致している
  • 氏名変更がある場合は変更後氏名を記入した
  • 個人番号登録・変更届を準備した
  • 転勤前事業所に交付済みの資格喪失届などをそろえた
  • 転勤日の翌日から起算して10日以内の提出日程を確保した
  • 提出後の本人用書類を従業員へ渡す担当者を決めた

よくある質問

同じ会社の部署異動なら必ず転勤届が必要ですか?

必ずではありません。雇用保険上の適用事業所が変わるかを確認してください。同じ事業所番号内の部署異動か判断できない場合は、転勤後事業所を管轄するハローワークへ確認します。

数か月だけ別支店で勤務する場合も転勤届を出しますか?

勤務の本拠や所属事業所が恒常的に変わるかで判断します。一時的な応援勤務・駐在なら対象外ですが、実態が恒常的な所属変更なら転勤届を確認します。辞令と勤務実態を整理し、迷う場合は管轄ハローワークへ相談してください。

提出期限を過ぎた場合はどうしますか?

放置せず、転勤届と必要書類を準備して管轄ハローワークへ相談・提出してください。遅延理由や転勤日を確認できる資料を求められる場合があります。

公式情報と確認日

この記事は、2026年7月28日時点の厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き【第2編】被保険者資格の取得・喪失編【令和7年8月版】」と、ハローワークインターネットサービスの雇用保険被保険者転勤届に関する利用上の注意を確認して作成しています。事業所の統廃合、出向、海外勤務、氏名変更を伴う場合は、提出前に転勤後事業所を管轄するハローワークへ確認してください。

次にすること

まず辞令と雇用保険の事業所台帳で、転勤日と転勤前後の事業所番号を確認してください。被保険者番号、資格喪失届、被保険者証、個人番号登録・変更届をそろえ、転勤日の翌日から起算して10日以内に転勤後事業所を管轄するハローワークへ提出します。

採用や別事業主での雇用開始に伴う資格取得届を確認する雇用保険被保険者資格取得届の書き方|翌月10日・添付書類・e-Gov退職・移籍出向などの資格喪失届を確認する雇用保険被保険者資格喪失届の書き方|10日以内・離職証明書・e-Gov