国民年金保険料の免除制度は、本人・配偶者・世帯主の所得が基準以下などの場合に、申請・承認によって保険料の全額または一部が免除される制度です。未納のまま放置せず、納付が難しいと分かった時点で申請します。

国民年金保険料の免除は4種類

免除の区分は、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除です。令和8年度の一部免除後の月額と、2009年4月以後の期間について老齢基礎年金額へ反映される割合を整理します。

令和8年度の一部免除後の月額と、全額納付した場合に対する老齢基礎年金額への反映割合です。
免除区分令和8年度に納める月額老齢基礎年金額への反映
全額免除0円全額納付時の2分の1
4分の3免除4,480円全額納付時の8分の5
半額免除8,960円全額納付時の8分の6
4分の1免除13,440円全額納付時の8分の7

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(確認日:2026年7月28日)

免除制度の対象者と別制度を使う人

主な対象は、国民年金第1号被保険者で、収入減少などにより保険料の納付が経済的に難しい方です。所得審査や特例事由に基づいて、日本年金機構が免除区分を決定します。

一般の免除制度を申請する前に、別制度の対象ではないかも確認します。

  • 学生ではない。学生は学生納付特例を確認します
  • 国民年金の任意加入者ではない。任意加入中は免除・納付猶予を申請できません
  • 生活扶助や障害年金2級以上等による法定免除の対象ではない
  • 出産予定または出産後の第1号被保険者として産前産後免除の対象ではない
  • 本人・配偶者・世帯主の所得が基準以下か、失業等の特例へ該当する可能性がある

免除の所得基準

免除は、原則として本人・配偶者・世帯主のそれぞれについて、申請する免除年度に対応する所得を審査します。令和8年度分(2026年7月から2027年6月)は、2025年中の所得が対象です。

所得基準は額面の給与収入ではなく、税法上の所得と扶養親族等控除額・社会保険料控除額等を用いて判定します。
免除区分所得基準の計算式
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
4分の3免除88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

免除と納付猶予の違い

免除と納付猶予は、所得を審査する人と老齢基礎年金額への反映が異なります。
比較項目保険料免除納付猶予
所得審査本人・配偶者・世帯主本人・配偶者。世帯主は審査対象外
年齢条件第1号被保険者の対象期間20歳以上50歳未満の期間
老齢基礎年金額免除区分に応じて一部が反映追納しない限り反映されない
承認後の支払い一部免除は減額後の保険料を納付承認期間中の納付を猶予

世帯主の所得により免除が承認されない場合でも、20歳以上50歳未満で本人・配偶者の所得基準を満たす方は、納付猶予の対象となる可能性があります。

国民年金の納付猶予制度を確認する納付猶予の年齢条件、所得基準、追納の扱いは別記事で確認できます。

申請できる期間と免除年度

過去分は、各月の保険料の納付期限から2年を経過する前まで、目安として申請時点から2年1か月前までさかのぼって申請できます。免除年度は7月から翌年6月までです。

令和8年度分と過去分の申請時期を整理します。
申請対象期間・確認点
令和8年度分2026年7月分から2027年6月分。2026年7月から申請できます
過去分各月の納付期限から2年を経過する前まで。月ごとに期限が到来します
複数年度分年度ごとに申請書または電子申請が必要です

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(確認日:2026年7月28日)

申請に必要なもの

提出方法と本人確認に使う番号に応じて、次の書類・情報を準備します。

  • 紙申請の場合は、国民年金保険料免除・納付猶予申請書
  • 基礎年金番号で手続きする場合は、基礎年金番号通知書・年金手帳など番号を確認できる書類
  • マイナンバーで紙申請する場合は、マイナンバーカード。持っていない場合は個人番号確認書類と運転免許証等の身元確認書類
  • 失業等の特例を使う場合は、離職票、雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知などの写し
  • 複数年度分を申請する場合は、年度ごとの申請

所得証明書は原則として添付不要です。ただし、審査対象となる本人・配偶者・世帯主の所得について税の申告が行われていない場合や、申請する年度の基準日頃に海外に居住していた場合などは、追加対応が必要です。

国民年金保険料の免除を申請する手順

国民年金第1号被保険者であること、学生・法定免除・産前産後免除・任意加入など別制度の対象でないことを確認します。

免除を希望する月と免除年度を確認します。過去分がある場合は、月ごとの最終期限と必要な年度数を整理します。

基礎年金番号またはマイナンバーの確認書類を準備します。失業等の特例を使う方は離職票等も用意します。

マイナポータル、住所地の市区町村の国民年金担当窓口、最寄りの年金事務所への窓口提出または郵送から申請方法を選びます。

マイナポータルでは「年金」から「国民年金に加入する方・加入中の方の手続き」へ進み、「保険料の免除・納付猶予、または学生納付特例」「学生でない」を選択します。マイナンバーカードと2種類の数字4桁暗証番号を準備します。

申請後は決定通知を確認します。現行申請書の注意事項では、審査結果の送付はおおむね2~3か月後と案内されています。審査中に納付案内が届いた場合は、申請状況を確認します。

一部免除が承認された場合は、減額後の保険料を納付します。将来の年金額を満額に近づけたい場合は、免除期間の追納を検討します。

出典:日本年金機構「ケース11:国民年金保険料の免除を受けるとき」「電子申請(マイナポータル)」(確認日:2026年7月28日)

承認後の年金記録と追納

免除が承認された期間は未納期間とは扱いが異なります。

  • 老齢基礎年金を受けるための受給資格期間に算入されます
  • 免除区分に応じた割合で老齢基礎年金額へ反映されます
  • 一定の要件を満たす場合、障害基礎年金・遺族基礎年金の保険料納付要件の対象期間になります
  • 承認された免除期間は、10年以内であれば申し出により追納できます
  • 承認期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納すると、当時の保険料に加算額が上乗せされます
国民年金保険料の追納方法を確認する免除期間を後から納める場合は、追納の期限、申込書、納付順序を確認してください。

よくある質問

本人の収入が少なくても、世帯主の収入が高いと免除されませんか?

保険料免除は本人・配偶者・世帯主の所得を審査するため、世帯主の所得によって承認されない場合があります。20歳以上50歳未満で本人・配偶者の所得基準を満たす方は、世帯主所得を審査しない納付猶予も確認してください。

学生でも国民年金保険料の免除を申請できますか?

学生は一般の免除・納付猶予制度の対象外です。本人所得を審査する学生納付特例を申請します。

過去の未納分も免除申請できますか?

申請できる可能性があります。ただし、月ごとに最終期限があり、遅れるほど対象月が減ります。日本年金機構の月別期限を確認して速やかに申請してください。

一度承認されれば毎年自動で免除されますか?

申請書で継続審査を希望し、全額免除または納付猶予が承認された場合は、翌年度以降も継続審査されることがあります。一部免除、失業等の特例、対象状況の変更などでは、翌年度に改めて申請が必要です。

公式情報と確認日

この記事は、日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」「ケース11:国民年金保険料の免除を受けるとき」「電子申請(マイナポータル)」を2026年7月28日に確認して作成しています。

次にすること

失業した人の国民年金保険料免除・納付猶予を確認する退職・失業が理由の方は、離職票等を使う特例と家族の所得審査を確認できます。国民年金の学生納付特例を確認する学生の方は、一般の免除制度ではなく学生納付特例を確認してください。