個人事業の廃業届は、事業を廃止した日の属する年分の所得税の確定申告期限までに、納税地を所轄する税務署長へ提出します。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、パソコンのe-Taxソフト、郵送、税務署窓口で提出できます。
個人事業の廃業届の概要
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 個人事業の開業・廃業等届出書 |
| 主な対象 | 事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき事業を廃止した方 |
| 提出期限 | 廃業した日の属する年分の所得税の確定申告期限まで |
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署長 |
| 提出方法 | パソコンのe-Taxソフト、郵送、税務署窓口への持参 |
| 書面提出時の本人確認 | マイナンバーの記載と、本人確認書類の提示または写しの添付 |
| e-Tax提出時の本人確認書類 | 本人確認書類の提示または写しの添付は不要 |
廃業届を提出する対象者
国税庁の手続対象者は、事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき事業の開始等をした方です。同じ様式で、事業の開始、事務所・事業所の新設・増設・移転・廃止、事業自体の廃止を届け出ます。この記事では、個人事業を全部または一部廃止する場合を扱います。
次のような場合は、廃業欄や関連する記入欄を確認します。
- 個人事業を完全に終了する
- 複数の事業のうち一部を終了する
- 個人事業を法人へ引き継ぐ法人成りをする
- 事業を第三者へ譲渡して個人での事業を終了する
- 事業用の事務所・事業所だけを廃止する
提出期限は廃業した年分の確定申告期限まで
個人事業の開業・廃業等届出書は、廃業等の事実があった日の属する年分の所得税の確定申告期限までに提出します。期限が土曜日、日曜日、祝日等に当たる場合は、その翌日が期限です。廃業日と提出日を混同せず、廃業した年分の確定申告期限を国税庁の最新案内で確認してください。
廃業届の提出に必要なもの
提出方法と自分の税務状況に合わせて準備します。
- 国税庁の現行様式「個人事業の開業・廃業等届出書」
- 納税地、氏名、生年月日、職業、屋号、廃業日、廃業理由、事業概要などの記入情報
- 12桁のマイナンバー(個人番号)
- 書面提出の場合は、国税庁が案内する本人確認書類
- e-Taxの場合は、利用者識別番号とe-Taxソフトを使えるパソコン等の環境
- 青色申告を取りやめる場合は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」
- 該当する消費税の課税事業者の場合は「事業廃止届出書」
- 給与支払事務所等も廃止する場合は、別の廃止届出の要否と1か月以内の期限
書面でマイナンバーを記載した届出書を提出する場合は、本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。e-Taxで提出する場合は、本人確認書類の提示・写し添付は不要です。
廃業届を提出する手順
実際に事業を終了した日、全部廃業か一部廃業か、法人成り・事業譲渡に当たるかを整理します。事務所だけを閉じる場合は、事業自体の廃止と取り違えないようにします。
所得税の納税地を確認し、その納税地を所轄する税務署を特定します。事業所の所在地と納税地が異なる場合でも、国税庁の現行案内では納税地を所轄する税務署長へ提出します。
国税庁のA1-5手続ページから、提出時点の「個人事業の開業・廃業等届出書」を取得します。保存していた古い様式をそのまま使わず、現行ページから確認してください。
納税地、氏名、マイナンバー、職業・屋号、届出区分、所得の種類、廃業日、廃業理由、事業概要、青色申告・消費税関係書類の提出有無など、該当する欄を記入します。
青色申告、消費税、給与支払事務所等、従業員の保険手続など、廃業に伴う別の届出を洗い出します。対象や期限が異なるため、廃業届と一括りにしないでください。
e-Tax、郵送、税務署窓口のいずれかで提出します。書面提出では本人確認書類を準備し、提出した内容と提出日を確認できる記録を保管します。
廃業時に確認する主な記入欄
| 欄 | 確認する内容 |
|---|---|
| 納税地・上記以外の住所地等 | 所得税の納税地と、必要に応じて住所地・事業所等の所在地 |
| 氏名・生年月日・マイナンバー | 本人の基本情報と12桁の個人番号 |
| 職業・屋号 | 廃業前の職業区分と、使用していた場合の屋号 |
| 届出の区分 | 事業の廃業、または事務所・事業所の廃止など該当する区分 |
| 廃業の事由・引継先 | 廃業理由と、事業譲渡等の場合の引継先の住所・氏名 |
| 所得の種類 | 不動産所得、山林所得、事業所得の区分と、全部・一部廃業 |
| 開業・廃業等日 | 実際に事業を廃止した日 |
| 法人成りに関する欄 | 設立法人名、代表者名、法人の納税地、設立登記日 |
| 青色申告・消費税関係書類 | 取りやめ届出書、事業廃止届出書などを提出するか |
| 事業の概要・給与等の支払状況 | 廃業した事業内容や、給与を支払っていた場合の状況 |
e-Tax・郵送・窓口の違い
| 方法 | 手続の要点 | 提出前の確認 |
|---|---|---|
| e-Tax | 国税庁の現行案内では、パソコンからe-Taxソフトで届出書を作成・送信します。 | 初めて利用する方は利用者識別番号を取得し、最新の利用環境を確認します。 |
| 郵送 | 書面の届出書と必要な本人確認書類の写しを、所轄税務署へ送付します。 | 納税地の所轄税務署と送付先を確認し、期限に余裕を持って発送します。 |
| 税務署窓口 | 書面の届出書を、納税地を所轄する税務署へ持参します。 | 開庁日・受付時間と、提示する本人確認書類を事前に確認します。 |
廃業届と一緒に確認する別の手続
| 状況 | 確認する手続 | 期限の要点 |
|---|---|---|
| 青色申告を取りやめる | 所得税の青色申告の取りやめ届出書 | 取りやめようとする年分の所得税の確定申告期限まで |
| 消費税の課税事業者が事業を廃止した | 消費税の事業廃止届出書 | 事由が生じた場合、速やかに |
| 給与支払事務所等を廃止する | 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 | 廃止日から1か月以内 |
| 従業員の雇用を終了する | 雇用保険・社会保険などの資格喪失手続 | 制度ごとの対象・期限を確認 |
提出前によくある間違い
廃業届と関連届出の漏れを防ぐため、次の点を確認します。
- 廃業届の期限を廃業日から1か月以内だと思い込む
- 事業自体の廃業と事務所・事業所だけの廃止を混同する
- 全部廃業と一部廃業を確認しない
- 法人成りなのに設立法人の情報を整理しない
- 青色申告の取りやめ届出書を確認しない
- 消費税の課税事業者なのに事業廃止届出書の要否を確認しない
- 給与支払事務所等の廃止届や従業員の保険手続きを忘れる
- 書面提出でマイナンバーを記載したのに本人確認書類を準備しない
- 古い様式を使い、提出時点の国税庁ページを確認しない
提出前チェックリスト
送信・発送・来庁前に、期限と関連手続を確認します。
- 廃業日と、廃業した年分の所得税の確定申告期限を確認した
- 全部廃業・一部廃業・事業所廃止の区分を確認した
- 納税地を所轄する税務署を確認した
- 国税庁の現行様式を使用した
- 届出区分、所得の種類、廃業日、廃業理由を確認した
- 法人成り・事業譲渡の場合は引継先情報を確認した
- 書面提出ではマイナンバーと本人確認書類を準備した
- 青色申告、消費税、給与支払、従業員の保険に関する別手続を確認した
- 提出内容と提出日を確認できる記録を保管する方法を決めた
よくある質問
個人事業の廃業届は廃業から1か月以内ですか?
2026年7月28日に確認した国税庁のA1-5手続案内では、事業の廃止等の事実があった日の属する年分の所得税の確定申告期限までとされています。給与支払事務所等の廃止届など、別の書類には1か月以内の期限があります。
廃業届はe-Taxで提出できますか?
提出できます。初めてe-Taxを利用する方は利用者識別番号が必要です。郵送や税務署窓口への持参も選べます。
廃業届を出せば青色申告も自動で取りやめになりますか?
廃業届とは別に、青色申告の取りやめ手続を確認してください。国税庁は、取りやめようとする年分の所得税の確定申告期限までの提出を案内しています。
廃業届を出せば確定申告は不要ですか?
廃業届を提出しただけで、廃業した年分の所得税の申告が自動的に完了するわけではありません。売上、必要経費、資産の処分などを整理し、確定申告の要否と内容を国税庁の最新案内で確認してください。
公式情報と確認日
この記事は、国税庁の個人事業の開業・廃業等届出手続、現行届出書、青色申告の取りやめ手続、消費税の事業廃止届出手続を2026年7月28日に確認して作成しています。法人成り、事業譲渡、一部廃業、消費税・インボイス、従業員の手続など個別事情がある場合は、所轄税務署や各制度の担当窓口へ確認してください。
次にすること
まず廃業日、全部・一部廃業の区分、納税地、青色申告・消費税・給与支払の状況を一覧にしてください。そのうえで国税庁の現行様式を取得し、廃業届と条件付きの別届出を期限順に提出します。
個人事業の開業届を確認する同じ「個人事業の開業・廃業等届出書」を使う開業時の手続と、廃業時との違いを確認できます。青色申告承認申請書の提出方法を確認する青色申告の承認申請について、開業時の期限とe-Tax・郵送・窓口の方法を確認できます。給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出を確認する給与を支払っていた場合は、給与支払事務所等の廃止届の1か月期限と提出先を確認します。