給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書は、国内で給与等の支払事務を扱う事務所等を開設・移転・廃止したとき、事実発生日から1か月以内に税務署へ提出します。e-Taxソフト、郵送、税務署窓口で手続きできます。

給与支払事務所等の届出の概要

対象、期限、提出先、提出方法を先に整理します。
確認項目内容
正式名称給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
対象者国内で給与等の支払事務を扱う事務所等を開設・移転・廃止した給与等の支払者
提出期限開設・移転・廃止の事実があった日から1か月以内
開設・廃止の提出先給与支払事務所等の所在地を所轄する税務署長
移転の提出先移転前の給与支払事務所等の所在地を所轄する税務署長
提出方法e-Taxソフト、郵送、税務署窓口への持参
手続根拠所得税法第230条、所得税法施行規則第99条

出典:国税庁「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」(確認日:2026年7月28日)

提出対象になるケース

対象は法人に限りません。会社や団体、個人事業主などの給与等の支払者が、国内で給与支払事務を扱う事務所等を開設・移転・廃止した場合に確認する手続です。会社設立や個人事業の開業そのものを届け出る書類とは目的が異なります。

次のような場面では、給与支払事務所等の届出が必要かを確認します。

  • 会社設立後に本店などで給与支払事務を始める
  • 個人事業主が従業員を雇い、給与支払事務を扱う事務所を設ける
  • 給与計算・源泉徴収を扱う事務所を別の場所へ移す
  • 支店等を閉鎖し、給与支払事務を本店や他の支店へ引き継ぐ
  • 給与支払事務所等の名称など、届出事項に異動が生じる

期限と提出先の確認方法

事実の種類によって提出先を分けます。
届出内容期限提出先
開設開設日から1か月以内開設した給与支払事務所等の所在地を所轄する税務署
移転移転日から1か月以内移転前の給与支払事務所等の所在地を所轄する税務署
廃止廃止日から1か月以内廃止した給与支払事務所等の所在地を所轄する税務署
名称などの異動異動の事実があった日から1か月以内を基準に確認給与支払事務所等の所在地を所轄する税務署

提出期限と提出先は、国税庁の手続案内と記載要領を2026年7月28日に確認しています。

記入前に準備する情報

現行様式を取得し、登記・事業所情報や給与台帳と照合できる情報を準備します。

  • 開設・移転・廃止のどの届出に当たるか
  • 届出者の住所または本店所在地、氏名または名称
  • 個人番号または法人番号
  • 法人の場合は代表者氏名
  • 給与支払事務所等の名称・所在地
  • 開設・移転・廃止または異動があった年月日
  • 開設月中に給与支払を始めない場合の、支払開始日または開始予定日
  • 給与等を支払う役員・従業員・その他の職種別人数
  • 移転・支店閉鎖などで給与支払事務を引き継ぐ事務所の名称・所在地
  • 法人成りや外国法人など、該当する場合の参考事項

給与支払事務所等の開設届出書の書き方

「届出内容」の届出書種別欄に、開設・移転・廃止など該当する区分の数字を記入します。現行様式に印字された区分を確認し、名称だけで判断しないでください。

「事務所開設者」欄に、届出者の住所・居所または本店・主たる事務所の所在地、氏名または名称、個人番号または法人番号を記入します。法人は代表者氏名も記入します。

給与支払事務所等を開設した月中に給与の支払を始めない場合は、「給与支払を開始する年月日」に実際の開始日または開始予定日を記入します。開設日と給与支払開始日を取り違えないようにします。

「届出の内容及び理由」欄で該当区分を選び、給与支払事務所等の名称・所在地・異動日など必要事項を記入します。名称変更などは、その他の内容と異動の内容が分かるように記入します。

「従事員数」欄には、給与等を支払う人数を役員・従業員などの職種別に記入します。役員・従業員以外の職種は、その他欄に区分と人数を記入します。

法人成りで個人事業を廃止した場合や、外国法人に関する事項など、記載要領で示される参考情報がある場合は「その他参考事項」へ記入します。該当しない内容を推測で埋める必要はありません。

税理士または税理士法人が届出書を作成した場合は税理士署名欄を使用します。税務署整理欄は記入せず、届出区分、年月日、所在地、番号、人数を再確認します。

記入方法は、国税庁「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書の記載要領等」(確認日:2026年7月28日)に基づいています。

移転・支店閉鎖で注意すること

給与支払事務所等を移転した場合、移転前の支払に係る源泉所得税の納税地も、届出書に記載した移転後の給与支払事務所等の所在地へ移ると記載要領で案内されています。提出先は移転前の所轄税務署ですが、移転後の所在地も正確に記入してください。

e-Tax・郵送・窓口の提出方法

期限までの余裕と利用環境に合わせて提出方法を選びます。
方法手続の要点提出前の確認
e-Taxe-Taxソフトで届出書を作成して送信します。初回利用では利用者識別番号を取得します。電子署名に必要な電子証明書と、最新状態のe-Taxソフトを確認します。
郵送書面で作成した届出書を、所轄税務署へ送付します。移転時は移転前の所轄税務署であることを確認し、期限に余裕を持って発送します。
税務署窓口書面で作成した届出書を所轄税務署へ持参します。国税庁案内の開庁時間は原則8時30分から17時です。土日・祝日等の閉庁日は窓口受付を行いません。
e-Taxソフトの公式案内を確認するe-Taxソフトは、国税の申告・申請・届出データを作成して送信する国税庁のソフトです。利用者識別番号、電子証明書、最新バージョンを確認してください。

提出前によくある間違い

送信・発送・来庁前に、次の取り違えがないか確認します。

  • 1か月の期限を給与の初回支払日から数える
  • 移転届を移転後の所在地の税務署へ提出する
  • 会社設立日と給与支払事務所等の開設日を同じものとして扱う
  • 開設月に給与を支払わないのに、給与支払開始予定日を確認しない
  • 役員・従業員・その他の人数を職種別に分けず、従事員数欄を確認しない
  • 支店閉鎖時に給与支払事務の引継先を記入しない
  • 税務署整理欄へ記入する
  • 古い保存様式を使い、提出時点の国税庁ページを確認しない

よくある質問

法人設立届出書を出せば、この届出は不要ですか?

会社を設立した事実を届ける法人設立届出書と、給与等の支払事務を扱う事務所等の開設を届ける本届出書は別の手続です。給与支払を始める状況に該当する場合は、本届出書の期限と提出先を別に確認してください。

移転した場合は、新しい所在地の税務署へ出しますか?

国税庁の案内では、移転の場合は移転前の事務所等の所在地を所轄する税務署へ提出します。届出書には移転前後の所在地を正確に記入してください。

給与支払を開始する年月日はいつ記入しますか?

国税庁の記載要領では、給与支払事務所等を開設した月中に給与の支払が始まらない場合に、支払開始日または開始予定日を記入します。開設日そのものを書く欄とは区別してください。

公式情報と確認日

この記事は、国税庁のA2-7手続ページ、現行届出書、記載要領、e-Taxソフト案内を2026年7月28日に確認して作成しています。合併・分割、支店閉鎖、外国法人、複数の給与支払事務所など個別事情がある場合は、所轄税務署へ確認してください。

次にすること

まず事実発生日と提出先を確定し、1か月以内に提出できるよう準備します。

  • 開設・移転・廃止・その他異動のどれに当たるか確認した
  • 事実があった日から1か月以内の期限を管理した
  • 移転の場合は移転前の所轄税務署を確認した
  • 国税庁の現行様式と記載要領を取得した
  • 届出者情報、事務所情報、給与支払開始日、従事員数を確認した
  • 支店閉鎖等では給与支払事務の引継先を確認した
  • e-Tax・郵送・窓口の提出方法を決めた
  • 提出内容と提出日を確認できる記録を保管する
法人設立届出書の提出方法を確認する会社設立後の税務署への基本届出と、給与支払事務所等の届出を分けて確認できます。個人事業の開業届を確認する個人事業の開業届は、給与支払事務所等の届出とは対象・目的・期限が異なります。源泉所得税の納期の特例を確認する給与の支給人員が常時10人未満なら、源泉所得税を年2回にまとめる納期の特例を検討できます。初めて従業員を雇うときの保険手続きを確認する従業員を初めて雇う場合は、税務手続とは別に労働保険・雇用保険・社会保険の加入要件と期限を確認します。