所得税の確定申告書は、申告書を提出する時点の納税地を所轄する税務署長へ提出します。国内に住所がある方は、原則として現在の住所地が納税地です。引っ越した場合は、申告する年の年末住所ではなく、提出時の住所を基準に所轄税務署を確認します。

確定申告書の提出先を決める早見表

最初に現在の生活拠点と申告する人の状況を確認します。
状況納税地・提出先の基本
国内に住所がある生活の本拠である現在の住所地が納税地です。その住所地を所轄する税務署長へ提出します。
国内に住所はないが居所がある相当期間継続して居住している居所地が納税地になります。
住所地以外の居所地を納税地にしている納税地の特例が適用されている居所地を所轄する税務署へ提出します。
事業所等の所在地を納税地にしている納税地の特例が適用されている事業所等の所在地を所轄する税務署へ提出します。
申告前に引っ越した提出時の新住所地を所轄する税務署へ提出します。源泉徴収票の旧住所は提出先の基準ではありません。
亡くなった方の準確定申告相続人の住所地ではなく、亡くなった方の死亡時の納税地を所轄する税務署へ提出します。
国内に住所も居所もない国内の事業所、不動産、従前の納税地などを順に確認する特別な判定が必要です。国税庁のQ&Aまたは税務署へ確認します。

引っ越した場合は現在の住所を基準にする

確定申告書の提出先は、申告対象年の12月31日時点ではなく、申告書を提出する時点の納税地で決まります。たとえば、前年分の給与所得について翌年1月にA市からB市へ転居し、その後に確定申告する場合は、B市の現在住所を所轄する税務署長へ提出します。

引っ越し後に申告するときは、次の順番で確認します。

  • 申告書を提出する日の現在住所を確認する
  • 確定申告書へ現在の住所・氏名を記載する
  • 国税庁の税務署検索で現在住所の所轄税務署を調べる
  • 書面を送る場合は、所轄税務署の案内で最新の送付先を確認する
  • e-Taxでは現在の住所などの利用者情報・申告内容を正しく入力する

住所地・居所地・事業所所在地の違い

納税地に使われる主な場所の意味を整理します。
区分意味と扱い
住所地生活の本拠となる場所です。国内に住所がある方は、原則として住所地が納税地です。
居所地相当期間継続して居住しているものの、生活の本拠とまではいえない場所です。国内に住所がなく居所がある方は、居所地が納税地になります。
住所地に代える居所地国内に住所と居所がある方は、特例により居所地を納税地とすることができます。
事業所等の所在地住所または居所のほかに事業所等がある方は、特例により事業所等の所在地を納税地とすることができます。

国税庁は、納税地の特例による変更について、変更後の納税地を記載した所得税または消費税の申告書を提出する方法を案内しています。年の途中で国税当局からの文書を変更後の納税地へ送ってほしい場合は、納税地の異動・変更に関する申出書を提出できるとしています。

所轄税務署を調べる手順

申告書を提出する時点の郵便番号と住所を確認します。住民票の住所だけでなく、実際の生活の本拠がどこか判断に迷う場合は、提出前に税務署へ確認してください。

国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」を開き、郵便番号・住所から検索するか、地図・都道府県一覧から所轄税務署を確認します。

表示された税務署の公式ページで、管轄区域、所在地、電話番号、書面の送付先、確定申告期の相談会場などを確認します。申告相談会場と申告書の提出先が同じとは限らないため、目的を分けて確認してください。

現在住所を所轄する税務署を調べる国税庁の公式ページで、郵便番号・住所から所轄税務署を検索できます。

確定申告書を提出する3つの方法

提出先を確認した後、e-Tax・郵送・窓口から方法を選びます。
方法提出時の確認点
e-Tax国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作成し、インターネットで送信します。現在の住所などの申告情報を正しく入力し、送信結果を保存します。
郵便・信書便所轄税務署の案内で送付先を確認して送ります。郵便・信書便では通信日付印の日が提出日になります。
税務署窓口・時間外収受箱税務署の通常の開庁時間は平日8時30分から17時までです。閉庁日や時間外でも、時間外収受箱へ投函できる場合があります。

通常の住所地基準と異なる主なケース

次のケースは、現在住所の税務署へ出すという一般的な判断だけでは足りません。

  • 亡くなった方の準確定申告は、死亡時の納税地を所轄する税務署へ提出する
  • 海外転出などで国内に住所・居所がない方は、国内の事業所、不動産、従前の納税地などによる判定順を確認する
  • 納税管理人の住所地は、納税者本人の納税地の代わりにはならない
  • 住所地以外の居所地や事業所等を納税地にしている方は、その特例が現在も適用されているか確認する
  • 住民税の申告先は市区町村であり、所得税の確定申告書を出す税務署とは別の行政機関である

提出先を決めるときの間違いやすい点

提出前に、次の思い込みがないか確認します。

  • 申告対象年の12月31日の住所で提出先を決める
  • 源泉徴収票に記載された旧住所の税務署へ提出する
  • 最寄りの税務署ならどこでも提出先になると考える
  • 事業所があるだけで、その所在地が自動的に納税地になると考える
  • 準確定申告を相続人の住所地の税務署へ提出する
  • 申告相談会場の場所を、そのまま書面の送付先だと考える
  • 書面の控えに税務署の収受日付印が押されると思い、提出記録を残さない

よくある質問

前年分の確定申告は、引っ越し前と後のどちらの税務署へ出しますか?

提出時の納税地が基準です。国内に住所がある方は、申告書を提出する時点の新住所地を所轄する税務署長へ提出します。

源泉徴収票の住所が前の住所でも申告できますか?

申告できます。確定申告書には現在の住所・氏名を記載し、現在の納税地を所轄する税務署へ提出します。

個人事業主は店舗や事務所の所在地の税務署へ出しますか?

店舗や事務所があるだけで自動的に提出先になるわけではありません。原則は住所地で、事業所等の所在地を納税地にする特例を利用している場合は、その所在地を所轄する税務署へ提出します。

e-Taxなら提出先の税務署を調べなくてもよいですか?

e-Taxはオンライン提出の方法ですが、申告書には現在の住所などを正しく入力する必要があります。納税地の判断に迷う場合や、書面・問い合わせ先を確認する場合は、所轄税務署を調べてください。

準確定申告は相続人の住所地の税務署へ出しますか?

原則として違います。亡くなった方の死亡時の納税地を所轄する税務署長へ提出します。

公式情報と確認日

この記事は2026年7月29日時点で、国税庁の確定申告書の提出先、引っ越し・海外転出時のQ&A、税務署検索、e-Tax・郵送・窓口の提出方法を確認しています。納税地は生活の本拠や特例の利用状況で変わるため、判断が難しい場合は提出前に税務署へ確認してください。

次にすること

確定申告書を作成する前に、次の3点を確認してください。

  • 申告書を提出する時点の住所・居所と、納税地の特例の有無を確認する
  • 国税庁の税務署検索で所轄税務署と書面の送付先を確認する
  • e-Tax、郵送、窓口のいずれで提出するか決め、送信結果または提出記録を保存する
還付申告の5年の期限と手順を確認する確定申告義務がなく、納め過ぎた所得税の還付を受けたい方は還付申告の期限と手順を確認できます。準確定申告の提出先・期限・必要書類を確認する亡くなった方の確定申告は、通常と異なる4か月期限と死亡時の納税地を確認します。年末調整と確定申告の違いを確認する会社員が確定申告をする必要があるか分からない場合は、年末調整との違いを確認できます。